第19話
紅茶が無くなるまで
ガチャ
ん?
あれ…?
荷物まだある…
清川さんまだいるのかな?
私がそっと部屋を開けると
わお…まだ居たよ
びっくりだね!
俯きがちな彼は頭が回らないようだ
少しそっとておこう
赤面した彼に気づかないまま
私は紅茶を入れに行った
清川さんは朝仕事に行く人じゃないのかな?
それともただ単に今日はおやすみ…ってだけ?
私は仕事しないとなのでミルクティーマグカップに入れてテーブルへ
もうひとつは…
ガチャ
私がマグカップを渡した時
彼の手が震えていた
私は彼の傷の理由を聞かない
個人の話だし、触れられたくないと思う
彼の顔が私の一言で明るくなった
もしかして…
家族に追い出されでもしたのだろうか?
実家暮らしなら有り得ることかもしれない
でも確定ではないし
まあそこは考えても仕方ない
私の家は来ても瑞希だろうし、大丈夫かな?