~亜柊side~
あれが…姉さん…
微かにある記憶に…幼稚園から迎えに来てくれたことがあったな…
写真で何度も見た…
録画してあるビデオもDVDも全部見た
あれが…姉さん
パウダーで泣きぼくろ消して、ウィッグ被って…
確かに1番似てると自分でも思っていたけど…
本物はもっと綺麗だし…
目はもっと優しい目で…
姉さんが見て見たくて…写真みて近づこうとした…
別にこういう癖では全然なくて…ただ…
ただ…姉さんに会ってみたかった…
それだけ…
コンコンコンッ
姉さんだ!
とりあえずウィッグは隠さないと!
これでいいかな?
ガチャ
姉さん…
あまり覚えてなくて…
すごく綺麗で…会いたかった…
~あなたside~
ベッドに座って暫く沈黙
その時…愛柊の目から…涙がポロポロとこぼれ落ちていた
泣きだしたら自分で止められないのもそのまま
ポスッ
愛柊『おねぇちゃん…』
あなた『ん?どうしたの?』
愛柊『いっしょにねてもいい?』
あなた『いいよ、おいで』
なるちゃんが言ってた通り
本当に私にそっくり…
私なんかに似ちゃってまあ…
中身は似ないでね?
私は自分より少し背が高くなった弟の手を引き部屋を出ることにした
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!