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私が躊躇する名前が…スマホの画面に出ている
分かってる…
そんなの自分が1番わかってる…
でも…
自分がしたことを思うと…
涙と謝罪が止まらなくなってしまう
私は帰る資格なんかない…
私はあの家から逃げてしまったのだから…
お父さんまで巻き込んで…
苗字まで変えて…
もう…私は…
あの家…には…
私が泣き止めずにいると電話の奥から声がして…
プツッ
帰れない…
こんな顔じゃ…
泣いたままじゃ帰れない…
ボロボロと涙が止まらない…
止まって…
お願いだから…
苦しい…苦しいよ
私は人気のない所で座り込んで…涙を拭い続けた
…
ガチャン
お願い…
私の頭を空っぽにして
🎼.•*¨*•.•*¨*•.¸¸🎶
〜成美side〜
悲しい音…泣いてる…
昔…お姉ちゃんが部屋から出てこなくなった時…
あの時も…
ピアノの音だけは聞こえて来た
その時と同じ…寂しそうで…悲しい音
そのテンポが早くなって…大泣きしてるように激しくなって…
お姉ちゃんの泣き声も聞こえてきて…
最終的にはジャンッって乱暴に鍵盤を押す音が聞こえて…
その後は…ほんとうに泣き声しか聞こえなくなる
お姉ちゃん…泣けないもんね
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ママからだ
お姉ちゃんが会いたいって思った時じゃないと…会っちゃだめだと思う
お姉ちゃんお母さん似だな
ジャンッ
あっ
でも私が入ったらもっと泣いちゃう…
どうしよう
どうしたらいいの?
その時
ガチャ
プツッ
それを私が言うと…
キヨが意を決した顔で問答無用にドアに手をかけた
ガチャ
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。