渋々と言った形であなたは車を降りた
お父様は俺に何か用なんだろう
絶対に!これ絶対確定じゃん!どうしよ!
もしすごい形相で『次娘に会ったら殺す!』とか言われたら…-
ほらきたぁこういう質問~
俺の予想的中ー!
これは嘘じゃないし…
『それだけだから…降りててくれるかい?』と言われて俺は承諾し2人の元へ
~あなたside〜
ガチャ
右手でドア掴むが…押せない…冷や汗やばい
目をつぶった私の左手がそっと握られた
ん?
でも…
ガチャ…ガチャン
私の目に…誰も映らなかった
そして何事も無かったかのように…
私の声を聞いた母がこちらに向かってきた
明らかに普通すぎると言うか…
身構えてたこっちが拍子抜けというか…
ガチャ
キヨさんは入ってこない…
流石に遠慮して入ってこなかったようだ
壁|*´・ω・)ヒョコッ
奏唄…
大きくなった…もう中学生の奏唄…
2人が気を使って退出…
私は未だに靴も脱げていない
やばい…泣きそう…
なんの涙?やめて
正面見て話すって決めたのに…
顔見れない…
その言葉ひとつひとつが胸に突き刺さる
痛い…でも奏唄はもっと痛かった
私が意を決して前を向くと同時に
私の胸に…目の前の奏唄が飛び込んで来ていた
この時…私の中で何かが崩れた…
家族に対して作っていた…壁のような…何か…が…
『お姉ちゃんはお姉ちゃんだよ!』
これが一番嬉しかった
私が…1番欲しかった言葉だ
目を赤く晴らし、口を尖らせて言うところは…昔から変わってなくて思わずわらってしまった
確かにそうだ
奏唄には何もプレゼントしていなかったな
(*-ω-)ヾ(・ω・*)よしよし
私は…次のドアを開く
1番拒絶されると思っていた弟がこうして受け入れてくれたのだから…
きっと大丈夫…
大丈夫だよね?
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。