あなたside
私は一人暮らしだ。
学校でもいい噂はなく,
毎日影の薄い存在として生きてたつもりだった……
でも,ある日お母さんから
電話がかかってきて決意したんだ。
プルルル……
目がまだ半開き状態の私は,
少しイライラしながら受話器を持つ。
そこから聞こえたのは懐かしい
お母さんの声でびっくりした。
帰ってきてくれる話だといいな……
それというのも母は今海外にいて,
海外勤務している。
びっくりしてつい間抜けな声が出てしまう。
いや……だな。
学校で陰口を言われるのも嫌だけど,
私には唯一仲良くしてくれる子がいるもん。
それは……‴えむ‴ちゃんだ。
私に希望をくれた。
でも,もしかしたら近い高校かも。調べてみよ。
暗い心が少し明るくなったような気がした。
なんて独り言を呟く。
ワンダショというのは,
ワンダーランズショウタイムの略で,
私が今ハマっているチーム的なもの。
―――――――――キリトリ線―――――――――
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!