阿部side

あれから一年の時が過ぎ、3月になった

今日は僕の卒業式で高校生活はあっという間だったな、なんて思いにふける

そして今日はあの時佐久間にお願いされたことを果たす日でもある

まずは岩本先生のとこに行く

「先生、おはようございます」

岩「阿部、卒業おめでとう」

「ありがとうございます、先生の授業楽しかったです」

岩「それはよかった。で、俺のこと呼び出して何の用だ？」

「先生の同級生から伝言頼まれたんです」

岩本先生は驚いた顔をして僕を見る

そんな先生の姿を見て笑うと、先生は僕のことを注意する

「『あの時困ってくれることないかって聞いてくれたのに言えなくてごめんね。自殺しちゃって本当にごめん。先生の姿かっこいいぞ、岩本先生』ですって」

そう伝えると先生はまた目を真ん丸にして驚いた

岩「これ…………」

「佐久間先輩からです」

岩「なんでお前が佐久間のこと…………」

「詳しく言えませんが幽霊である佐久間先輩と出会っただけです」

岩「それ詳しく言ってくれないと困るんだけど……」

岩本先生は驚きのあまり硬直している

確かに死んだ友人からの伝言を貰うとは信じられないだろうなと思う

岩「これ、現実だよな？」

「そうですね、現実です」

岩「そっか…………。ありがとう、佐久間…………。」

岩「阿部もありがとうな、卒業式頑張れよ」

「こちらこそ。ではまた」

佐久間、岩本先生にはちゃんと伝えたよ

卒業式後に深澤さんのとこに行くから、ちゃんと見守っててね