第22話

#19
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2021/08/22 10:00
阿部side
「深澤さん、こんにちは」
深「阿部くんじゃん!卒業おめでとう」
「ありがとうございます」
あれ以降常連になり、深澤さんとは仲良くなって何回もお世話になった
深「どうしたの?急に来るなんて」
「実は深澤さんの同級生から伝言頼まれたんです」
深「俺の?もしかして照?」
照というのはきっと岩本先生のことなんだろうなと思うと、佐久間から話を聞いていた通りとても仲が良かったのだなと感じる
「『ふっか、あの時自殺しちゃってごめんね。必死に引き留めてくれたのに、辛い思いさせてごめん。美容師になれたのおめでとう、ちなみに阿部ちゃんにふっかのことおすすめしたの俺だから感謝しろよ』らしいです」
僕がそう言うと深澤さんは大きな声をあげて泣き、そのまま膝から崩れ落ちてしまった
深「佐久間…………」
やっぱりあだ名呼びと当時の思い出から佐久間本人の言葉だと気がついたんだろうなと思った
「実は僕、幽霊の佐久間と出会ったんです。それで伝言頼まれて」
深「あいつ、成仏してなかったのかよ笑」
「一年前に成仏したので今はこの世にいませんけど笑」
深「もしかして阿部くんを変えてくれた先輩って佐久間だったの?」
「はい、そうです」
深「やっぱり笑。あいつは変わらねえな」
学生時代を思い出している深澤さんは、今までで一番のような楽しい顔をしていた
「では、また」
深「ありがとう、俺佐久間のことについて凄い未練あったんだけど消え去ったわ」
「それは天国にいる佐久間に言ってください」
深「じゃあ、また来てね」
「はい」
佐久間、伝言は全て伝え終わったよ
岩本先生は終始驚いていたし、深澤さんは佐久間に思いを馳せていたよ
って、空から見てたからわざわざ言わなくてもいいか笑
ありがとう佐久間、楽しかったよ
さようなら、僕の初恋

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