「 匡くん、大丈夫 ? 」
銀 『 無理やけん。死にたい 』
「 死んじゃだめ。大丈夫だから … さ? 」
銀 『 あなたも死んでくれる? 』
「 私は … 」
銀 『 ちょっとごめん 』
ザク
「 ちょっと!何やってるの! 」
銀 『 リスカ 』
銀 『 落ち着く … 』
リスカ までしちゃった彼はもうおかしいのかもしれない 。
「 だめだよ、手当するから 」
銀 『 触るな! 』
「 … ごめん … 」
銀 『 あ、いや、あなたに怪我させたくないけん、。 』
「 うん、。 」
銀 『 俺は今おかしくなっとうの。あなたにまで傷つけたくないばい。 』
それは不器用だけど彼なりの私への気遣いなんだと思う 。
銀 『 あ~あ、やっぱリスカだけじゃ足りない。 』
「 え、 」
銀 『 殺す 』
「 ちょっと … 自殺はいくらなんだって … 」
銀 『 俺、自殺 なんて言ってないばい。 』
「 ん? 」
彼は何を言ってるのだろうか 。
銀 『 ごめん。俺子供いるけん。二股しとった 。 』
「 は … 」
二股 …
それが何。何だろう
銀 『 あなたには死んでもらう 。 』
銀 『 俺のリスカ見ればちょっと落ち着くかな。って、俺なりの気遣い 』
彼はいつまで経ってもバカだ。
匡くんと一緒にいた日々は忘れないよ 。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。