あなたside
もう火傷は大丈夫そうですね
本当ですか
今までありがとうございます
嗚呼…本当に嫌になる
何でわざわざお礼なんて言わないといけないの?
善人ぶってる悪人が
でも、私も表面上はいい子な後輩だからかなり気に入られているらしい
その証拠に出口まで見送りについてきている
早く離れないとな
笑顔が崩れそう
頬が痙攣してきそう
あ、あのっ…
あら?どうかしましたか?
炭治郎、動いて大丈夫なの?
何で今来たの?
桃崎は?帰ったの?
自分の思い通りにいかなくてそうそうに帰ったとか?
嗚呼、少し歩くぐらいなら大丈夫だよ
そっか…よかった
しのぶさん…さっきの…桃崎さんのことで…
桃崎さんがどうかしましたか?
その…あなたが桃崎さんに怪我をおわせようとしたと言ってきて…
えっ…
そ、そんな…
でしょうね
大方、それで炭治郎達に嘘って見破られて泣きながら帰ったんだろうな
わ、私…助けたつもりだったのに…
でも、ありがとう
自分で墓穴を掘ってくれるなんて
これで優位に立てる
あなたさん…
もしかして…他に私がなにかしてしまったんでしょうか…
いえ、そんなことはありませんよ
私が桃崎さんに聞いてきますから
ごめんなさい……
いえ、大丈夫ですよ
ありがとう
騙されてくれて
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!