第7話

6.一人で...
30
2019/11/12 10:53
カナデside

どれぐらい走ったんだろう。

蝉がうるさく鳴いていて、水も無くなって、揺れ出す視界に、
迫り狂った鬼達の怒号に

俺達はバカみたいにはしゃぎ合った。

カナデ
カナデ
アズサ...ありがとな
アズサ
アズサ
当たり前でしょう
そう俺は礼を言いながらナイフを手に取った。
アズサside

カナデは僕に「ありがとう」と言ってくれた。
僕は足を止めてカナデの方見ると...
カナデはナイフを手に取った。
アズサ
アズサ
えっ...
カナデ
カナデ
お前が今まで傍に居たからここまで来れた...だからもう、いいんだ...
アズサ
アズサ
カナ...デ...?
カナデ
カナデ
死ぬのは俺一人でいいよ...
ザクッ
ドサッ
鈍い音は蝉の声でかき消される。
僕の足元に血が流れる。
アズサ
アズサ
......なん...で...
頭が回らない...声が出ない...何も聞こえない...暖かい血が頬に流れる。
まるで...映画のワンシーンみたいにも見えた。
白昼夢を見てるみたいで...
警備員
警備員
動くな!
警察に見つかり、僕は捕まった。


カナデは見つからなくて、カナデだけどこにも居なくて...








それからこの後僕は部屋に引き篭った。
カナデと話したりお泊まりしたりして楽しかったのに...

僕はカッターを手に取った。
アズサ
アズサ
カナデ.....僕も、今そっちに...逝くよ...
血管を切ろうとした時、一通の手紙が目に入った。
アズサ
アズサ
手紙?...こんなのあったけ...
カッターを置き、手紙を読む
そこに書かれていたのはカナデからだった。
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アズサへ
この手紙を読んでるってことは俺はもう、
ここに居ないってことになるな...
いつも迷惑をかけて悪かった。

傍にいてくれるだけで俺は嬉しかったし、
隣に居ただけで幸せだった。


例えこの先どんな事があっても俺の分まで生きろまた...俺を見つけてくれ...

カナデより
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手紙を読み終わりなにか暖かいものが頬に伝う。
気付けば、僕は涙を流していた。
アズサ
アズサ
うっ...グスッ...カナデ...ヒクッ...グスッ
ひとりに...ヒクッ...しないで...グスッ
ギュッと手紙を抱きしめ、そのまま泣き崩れていた。
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作者
長くなりました。(´;ω;`)シクッ
次回はもうマジで終わりです。(´;ω;`)
カナデ
カナデ
なんで泣いてんの?
作者
だって辛かったもん(´。・д人)シクシク…
カナデさんの死ネタが辛かったもん( ̄^ ̄゜)
アズサ
アズサ
確かに辛かったね〜(´;ω;`)
カナデ
カナデ
俺、お前らに殺されたわ〜
二人(カナデ以外)
ごめんって!
作者
てな訳で!
三人
バイバイ
※ついに最終話になります。

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