第5話

4
491
2021/08/27 07:38



自宅に着いて、玄関を開ける前に


大きく深呼吸した







「ただいまー」



と、言うと



子供と旦那が「おかえり」と言ってくれる




当たり前のことかもしれないけど…












この瞬間、罪悪感で押し潰れそうだった

苦しかった






それでも、頭の片隅には、樹がいる



寝不足と軽い二日酔いを感じながらも

洗濯をしたりと、家事をした






樹は、どうしてるのかな?



もう帰ったかな?




それとも、私以外に誰か居るのかな…





そんなことばかり考えていた















子供達に触れるのも、少し躊躇った




1番罪悪感を感じた









心が苦しい…


自業自得なんだけど…



わかっているけど…









やっぱり樹に会いたい…











樹と一夜を共にした日から2ヶ月程たった





連絡は、あまり取らない




連絡したいけど、出来ない自分が居た










そんな時、旦那に電話があり

みんなでキャンプに行こうという電話





樹と地元メンバーの中間地点で待ち合わせして、1泊しようという話…





私の家族を含めた3家族と、樹といういつものメンバー






嬉しい気持ちと、複雑な気持ちの半々だった














旅行当日は、3家族で地元を出発




友達家族を車に乗せた






他愛もない会話





もちろんその話の中には、樹の話も…





当たり障りのない返事をした









数時間かけて、休みながらも

キャンプ場に到着




荷物を降ろしていると、樹が来た






久しぶりーだなんて、みんな言いながら


私は、話しかけないようにしていた








近くの川で遊んで、夕方になると

みんなでBBQ






お泊まりだから、みんなお酒を飲んでワイワイしていた




子供達は、子供達で集まって遊んでいた







それから、花火をしたりと

大人も子供も騒いだ






夜もかなり更けてくると、子供達はコテージで寝て

大人達も、かなり酔ってた




もちろん、樹も旦那も

かなり酔っていた







酔っちゃうと、樹に抱きつきたくなるし

抱かれたくなる…


そんなこと旦那の前で出来ないと思い


酔いを冷ましに、少し離れることにした





空を見上げると、星空が見えた






星空を見ていたら、ため息が出た…







少しして、足音が近づいてきた





振り向くと…







あなた
樹…
おう。ここで一緒に飲もっか?
あなた
うん…
あ、でも…
大丈夫。
みんなめちゃくちゃ酔ってるから
あなた
そっか…
乾杯…
あなた
乾杯…
何で喋んないの?
あなた
え?喋ってるよ?
俺と
あなた
あー…
なんか、余計なこと言っちゃいそうで…
話しかけてもいい?
あなた
うん。
話したいし…
くっついていい?
あなた
え?



返事を待たずに、私の後ろに座り

私の頬に手を添えて、キスをした






軽いキスだったけど…



もっと欲しくなって、何度も何度も繰り返した









ガタン…







物音が聞こえて、お互い我に返った







戻ろっか?
あなた
うん…




立ち上がり、樹の背中を見た瞬間…




自分の気持ちが抑えられなかった







樹の背中に抱きついた






どうしたの?
あなた
ちょっとだけ…
こっち向いて?



樹は、私の方を向いて

抱きしめてくれた





ちょっと抜け出そっか?
あなた
うん





みんながいる場所から離れて


誰も泊まってないような場所に向かった







ここなら、誰も居ないと思うよ
あなた
樹…あのね…
あなた…
何したいの?
あなた
えっと…あの…
んふふ。
めっちゃ顔に書いてあるよ?
あなた
やだ。見ないでよ…
見る





樹は、私の頬に手を添えた




ドキドキするね?
あなた
うん…
ほんとに、ヤバい…





周りなんか見ずに、外で交わった







行為後…




あなた
外なんて初めて…
俺も。
でも、たまにはいいよね?
あなた
えー…
なんか落ち着かないよー
めちゃくちゃスリルあるじゃん
あなた
そうだね
またしよっか?
あなた
んふふ…






みんながいる場所の近くまで手を繋いで歩いた





お互いどちらからとも無く手を離し




私は、先に部屋に入った







プリ小説オーディオドラマ