3月25日
待ちに待った単独公演の日
俺たちだけのステージが始まった
色とりどりのペンライトが見えて
沢山のお客さんが居た
頼む…
居てくれ…
そう思いながら会場を見渡して
関係者席に目をうつす。
居ない…
そこにあなたは居なかった…
下を向きたいぐらい辛かったけど
必死でこらえて顔を上げたまま笑顔を見せ
歌い、踊り始めた
ソロ曲やシンメでの曲、
激しいダンス
汗をかき体力が消耗されていくなかで
一曲一曲真剣に丁寧にパフォーマンスをする
そして、
ほんとはあなたに聞いて欲しかった
その曲を、披露する時になった
♪見せつけたいよ 熱い想い
♪決意の
♪眠ればいいのかわからない
砕け散る心の破片が
ゆらゆらと夜風に揺れて
降り出した雪のよう
涙で滲む約束がまだ果たせない僕だから
もう少し傍にいてもう何度も告げたセリフだね
Wow Wow Wow
Wow Wow Wow
.
.
.
.
♪ 君と描きたい景色がまだ未完成な間は
もう少し傍に居てWow あと少し...
涙で滲む約束がまだ果たせない僕だから
もう少し傍に居てもう本当は聞き飽きてるよね
Wow Wow Wow 君の声が
Wow Wow Wow 夜空に舞う
淡い粉雪が街を染めるように
ひと粒ひと粒 Snow Dream
Be the one 君のOnly one
Twenty four seven命を燃やして
春を待ち侘びながら君のことを考えてた
I want to become your famous
その願いはいつか叶えます絶対あきらめないよ
選り取り見取りつかむSnow Dream
ファンのみんなに向けて
いつかデビューするから絶対デビューするから
もう少し待っていて
そう訴えかけるような歌…
俺はこの曲にあなたを重ねた。
まだ1年。
長いようですごく短くて
辛い時も嬉しい時もしんどい時も楽しい時も
家に帰ればあなたが居てくれた
ずっとそばにいて支えてくれてた
だからこそこの歌を聞いて欲しかった…
届けたかった…
今日だけは来て欲しかった…
そう思いながら前を向いてがむしゃらに
悔しい気持ちをぶつけるように
歌って踊った
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。