第105話

No.104 ただいま
2,003
2021/03/28 06:38
目黒蓮side








しょっぴーの探してるあなたちゃんと




俺の好きなあなたが一緒ってわかってから



ほとんど記憶がなくて気づいたら



日本に帰って来てたし最寄駅に着いていた





キャリーケースを、引きながら





いろいろ考えて帰り道を歩く



ふと横を見ると喫茶店の前だった




目黒蓮
え…
全然終わってなくない?



心の声が口に出てしまっていて



お店を横目に見ながらまた家へと歩き出した






あなたに聞く…?




"忘れられない人って翔太くん?"




聞きたいけど聞いたら…




あなたの口からほんとのこと聞くのが…




辛いなと思った





でも、誰にも渡したくはなくて



翔太くんのことがあったからこそ



俺が幸せにしてあげたい側にいたい



そう思った












ガチャッ















目黒蓮
ただいま!



扉を開け大きな声で叫びリビングへ入る




あなた
おかえり…?
目黒蓮
え、笑
なんで疑問系?笑
あなた
いや、わたしの家じゃないし
その…おかえりで…
いいのかなって…
目黒蓮
いーいーの! ニコッ
てか、ご飯作ってくれたの?



テーブルを見て俺はあなたに聞く




あなた
蓮が居ないとはいえ
このお家1週間お借りしたので
せめてものお礼で…
目黒蓮
うまそうっ…!
てか、家もめっちゃ
綺麗になってんじゃん!!!
あなた
私なりにだけど片付けた…
目黒蓮
ほんっっっとありがとう!
あっ!あなたにお土産買ってきた!
これ、どうかな?



そう言ってあなたにお土産を渡す







あなた
そんな、いいのに…
目黒蓮
いいから!
ほら開けてみて! ニコッ

袋を開けてすぐにあなたは



笑顔になった




あなた
うわーっ!すごい!
あっ!これあれだ!!!
めっちゃヒアルロン酸入ってる!
アルブチンやば!
ビタミンC誘導体〜♡
あなた
これは朝忘れないようにする!
こーれーは…
毎晩使ってみよっ ニコッ

全てが翔太くんの言う通りだった…




開けた時の感想も、




目をキラキラさせてるとこも、




タイ語をスラスラ読んでるとこも、




口数が増えるとこも、








翔太くんはやっぱり全部知ってるんだね



わかってるんだね



あなたのこと



全部



あなた
ほんっとありがとう!ニコッ
てか、
わたしそろそろ行かないと!
目黒蓮
どこいくの…?
あなた
お店に戻るけど…
目黒蓮
あんなとこ入れないでしょ?
あなた
えっ…
目黒蓮
帰るとき見た。
まだあれ終わってないでしょ笑
行くとこないんじゃない?
あなた
ホテルにでも泊まるから…!



どこにも行かないでほしい




てか、行くな…





目黒蓮
どこにも行くな…。



消えそうで聞こえてるのかわからないぐらいの




声を出しあなたの元へ行き



そっと抱き寄せた…






ふわっとあなたの香りがして







"離したくない"






その気持ちが溢れて




抱きしめる腕の力を強めてしまう








誰のことを好きでもいい




俺を見てくれてなくてもいい





そばにいてくれたら…








あなた
れ…ん…、、、、?





驚いているあなたの声が





俺の胸元で聞こえたけど





腕の力は緩めず








細くて小さい彼女の体に





すがりつくように…







何度も…何度も…







抱きしめなおした…


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