目黒蓮side
しょっぴーの探してるあなたちゃんと
俺の好きなあなたが一緒ってわかってから
ほとんど記憶がなくて気づいたら
日本に帰って来てたし最寄駅に着いていた
キャリーケースを、引きながら
いろいろ考えて帰り道を歩く
ふと横を見ると喫茶店の前だった
心の声が口に出てしまっていて
お店を横目に見ながらまた家へと歩き出した
あなたに聞く…?
"忘れられない人って翔太くん?"
聞きたいけど聞いたら…
あなたの口からほんとのこと聞くのが…
辛いなと思った
でも、誰にも渡したくはなくて
翔太くんのことがあったからこそ
俺が幸せにしてあげたい側にいたい
そう思った
ガチャッ
扉を開け大きな声で叫びリビングへ入る
テーブルを見て俺はあなたに聞く
そう言ってあなたにお土産を渡す
袋を開けてすぐにあなたは
笑顔になった
全てが翔太くんの言う通りだった…
開けた時の感想も、
目をキラキラさせてるとこも、
タイ語をスラスラ読んでるとこも、
口数が増えるとこも、
翔太くんはやっぱり全部知ってるんだね
わかってるんだね
あなたのこと
全部
どこにも行かないでほしい
てか、行くな…
消えそうで聞こえてるのかわからないぐらいの
声を出しあなたの元へ行き
そっと抱き寄せた…
ふわっとあなたの香りがして
"離したくない"
その気持ちが溢れて
抱きしめる腕の力を強めてしまう
誰のことを好きでもいい
俺を見てくれてなくてもいい
そばにいてくれたら…
驚いているあなたの声が
俺の胸元で聞こえたけど
腕の力は緩めず
細くて小さい彼女の体に
すがりつくように…
何度も…何度も…
抱きしめなおした…
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。