第130話

No.129
1,971
2021/04/10 09:27
あなたside









涙を拭い前を向きわたしはコーヒーショップへ行き



ゆきこさんの頼んでたものを受け取り




お店へと帰る











ガチャッ




あなた
戻りましたー!
ゆきこさん
おかえり!
ありがとうねー♡ニコッ
あなた
はいっ…  ニコッ



精一杯の笑顔でゆきこさんに笑うけど



うまく笑えてなかったみたいで…



ゆきこさん
なんか…あったの…?
あなた
えっ…
ゆきこさん
泣いたんじゃない?
目赤いわよ…
あなた
花粉症なんです!!笑
ちょっと鼻水と涙が… ニコッ



誤魔化せてないだろうな



そう思いながら笑顔で話すと



ゆきこさんはそれ以上なにも聞いてこなかった







そのあとはいつもの時間にお店を閉めて



片付けをして家へと帰った







鍵を開け家に入り廊下を歩く



リビングへ着くと



そのままソファへと倒れ込んだ





翔太に会った数時間前のことを思い出してしまう




忘れなきゃ




そう思ってたけど





そう思ってるって時点で思い出してるってことか





"蓮だけを見る"





そう決めて





再スタートしたつもりなのに





考えるのは翔太のことばかりだった






ソファから立ち上がり




アクセサリーケースを開けた





ゴールドのピンキーリングを取り出して




そっと握って





"しょ…うた…"






そう言ってうまく表せない気持ちを込めて




またそっと戻した










時計の秒針だけが聞こえる



静かな部屋に1人






ご飯なんて食べる気にもなれなくて




ただただボーッとしていた








ふと思い出しておもむろに携帯を取り出し






YouTubeを開く





なんでこうしてるのかわからないけど





わたしはSnow Manの動画を見始めた。




それも






まだ6人の時の…









蓮を見たくなかった




ううん、見れなかった…







蓮と翔太、2人が一緒にいるところを







見れなかった…











大好きだった翔太の綺麗な歌声は




今のわたしにとっては辛いものでしか




ないはずなのに










見るのをやめることが出来なかった





悔しそうにしてたとき


楽しそうにしてたとき


後輩に怒っていたとき


うまくいかなくて悩んでたとき



あの頃のいろんな翔太の表情が



頭に浮かんでしまう。







適当にいろんなものを再生してたら






"Snow Dream"




わたしの大好きな曲が流れた。





ソファに座り直し




少し画面を見つめたあと




すぐにわたしは目を閉じた




頬につたう冷たいものを感じながら、、、








目を閉じていたせいか




気付かないうちに眠ってしまっていた












目黒蓮
(LINE)
遅くなった。
もうすぐ家着くわ!






蓮からのLINEに気づかないまま




深い眠りに落ちていた





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