第197話

爆豪 勝己side
9,762
2019/10/15 14:31
(あ"ぁ??)


高校生、大学生ぐらいの男数人に囲まれたあなたは「ははは…」と苦笑を浮かべた。


(チッ…アイツ何してんだ? 俺が目離した隙にこれかよ。)

ね、お友達と一緒に
あなた

あ、あの、そもそもお友達というか…

あれ、お友達じゃないの?
あなた

お友達じゃないというか…

爆豪 勝己

(…じゃぁ、俺は何なんだ。)


アイスを持つ手に力が入り、胸が妙にざわつく。
爆豪 勝己
…っ、
あなた

お友達と呼ぶには少し違う…なんていうか大切な人、恩人なんです。

えぇ、何それっ。君、面白いこと言うねぇっ!
じゃぁさ、その恩人さん(?)も含めて遊ぼっか!
そうしよ、そうしよ!俺達もその子と話してみたいし
『ガシッ』

俺はそうほざく男の肩を掴むと、こちらに向かせる。
爆豪 勝己
あぁ?別に俺はテメェと話したかねーんだよ。
ヒッ!
まじかよ、女の子じゃなかったのかよ…
おい、アイツどっかで見た事あんぞ…ヘドロの奴じゃね?
いいから、ずらかるぞ。
あっという間に男共があなたから引き剥がされ、何処かへと消えると、俺はあなたにアイスを手渡す。
爆豪 勝己
ん。
あなた

あ、ありがとう。アイスといい、追い払ってくれた件といい…

爆豪 勝己
おう。外のベンチでも座るか。
あなた

うん、そうしよっか。

ワゴン車周りの臨時席がいっぱいになっているのを後にして、ショッピングモールの出口へと足を進める。

夕方になって、昼よりか人が減ったとはいうものの、依然として人が多い事には変わりはない。
爆豪 勝己
あんま変な奴に絡まれんなよ。
あなた

す、すみません…(汗)

爆豪 勝己
ああいう輩はここらは多いし、特にお前の場合は気をつけろ。
あなた

あー、女の子なら誰でも良いってやつ?

爆豪 勝己
あ?
あなた

も、もしかして勝己もそうなの?!

爆豪 勝己
あっ?!んなわけねーだろが!
あなた

そういえば、あの男子達が言ってた、『ヘドロの奴』って何?

爆豪 勝己
別に何でもねぇよ。
あなた

えぇ…でも、別に良いもんね。お茶子さん達とかデクくんとかに聞くから。

爆豪 勝己
……そーかよ。
あなた

???

『デク』の言葉があなたの口から出た瞬間、あからさまな不機嫌な態度が俺を覆った。



そうだった、

こいつはクソナードの事が好きだったんだな。



今朝から誰の邪魔も無く、あなたを独り占め出来ていたという感覚のせいですっかり忘れていた。


俺の中でのその感覚は、少しずつ解かれ始める。

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