第66話

ヘロイン
17,998
2018/08/22 23:05
後方で黒いもやのドームが私の目に飛び込んだ時、思わず声を張り上げる。
あなた

みんな!!

イレイザーヘッドが向かおうとすると、雑魚ヴィランが周りを囲み、邪魔をする。
それは私も同じだった。
相澤 消太
チッ。
あなた

どいてよ、邪魔っ!!!!

私はヴィランの攻撃を避けつつ、個性を使わずに攻撃をする。

あらかた雑魚ヴィランを倒したところで、手を顔面に付けた男、死柄木弔が話し始める。
死柄木 弔
さすが、プロヒーロー。そう簡単には倒れてはくれないか。
相澤 消太
お前らの目的は何だ。
死柄木 弔
平和の象徴、オールマイトが死ぬ事だ。
あなた

…、

死柄木 弔
イレイザーヘッドはともかく、そっちの女の子さ、
あなた

私?

死柄木 弔
ヘロインに気をつけた方がいいよ。
と、私はふとジッパーの作品が姿を消している事に気づく。


(っ、しまった、ヴィランの相手をする事に必死で目を離してしまっ)


その瞬間、背筋に恐怖が走った。
呼吸がくっとつっかえるように辛くなる。

それは私の背から聞こえた。
ヘロイン
オナジ、ニオイ、ダ。
私は即座に飛び退く。
耳まで裂けた口から、ボロボロの牙が見える。
と、また細かに頭を動かし始める。
あなた

っ、ジッパーは迷惑なものを作ってくれたわけだ。

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