第203話

離れ難い陽だまり達
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2019/11/14 13:52
口田 甲司
っ(汗汗汗)
瀬呂 範太
先生に頼んで届けて貰ったから、見たとは思うけど…見つけた時はもう壊れててさ…
耳郎 響香
何とかならないかな、って皆とも話したんだけど、自分達で修理って言うのは難易度が高いんじゃないか、って話になって…
飯田 天哉
とりあえず、お店に俺が走って修繕をお願いしたんだが、かなり古い物で完全に元通りにはならないと言われてしまった。不甲斐ない、申し訳ない!
あなた

そ、んなっ…

常闇 踏陰
いや、俺の助言が甘かった。俺がもう少し気をつけてやれば良かった。すまない。
尾白 猿尾
まさか、大事なブローチを持ってるなんて知らなくて…言ってくれれば、俺と葉隠さんで預かったんだけど…
あなた

そんな…持ち込んだのは私で、誰も悪くなんてない訳で…




優しすぎて、暖かすぎる場所だ。




まるで、「ここに帰ってきて良い」、「どんな貴方も受け入れる」と言われている様な気さえしてしまう。

昨夜の夢から、私は都合のいい事ばかりを捏造しているのだろうか。



目の前にいる、陽だまりのような彼らに私は既に嘘をついている。

私の事は勿論、彼らが危険にさらされている事も私は隠し続け、黙っている。



轟くんの様に、私を不信に思い、怖がる人だって居るだろうに。


何度も怪我をして、何度も心配をかけて、

迷惑をかけ続けてしまった私なんて…







もう、とっくに…
あなた

私っ…皆に嫌われたのかと、思って、




いつからだろう、

こんなにも皆と離れたくなくなってしまったのは。

停学中もずっと、皆が登下校しているのが見えるあの部屋で、皆の事を考えていた。


(一体、いつから…)


自分の身を守る為に、ここに入ったも同然だった私。



本当は、

ジッパーの手から怖くて、逃れたくて、

このクラスの誰かがジッパーに狙われている事なんて、
自分を雄英高校で極秘に匿ってもらいたい一心で出したものに過ぎないのかもしれない。


(こんなに…離れ難くなってしまったんだろう…)
八百万 百
まさか、そんなはずがありませんわ!
上鳴 電気
そーだよ!な、峰田!
峰田 実
おーよ!俺だって、毎日毎日木奥のあんな事やこんな事を…ハァハァ、考えてだな…ハァハァ…
芦戸 三奈
はいはい、気持ち悪い峰田は置いといて!
峰田 実
うぉぉおおい!
轟 焦凍
怪我は完治したのか?
すんとした冷静なトーンで轟くんが口を開く。
あなた

うん、殆どは治療済みって感じで…

轟 焦凍
そうか、それは良かったな。
飯田 天哉
本当にっ、良かった!これなら目前に迫った雄英体育祭に木奥君も参加出来そうだ!
あなた

で、でも、皆に会えなかった間、これといって、出来るようになってる事なんて無いし…

砂藤 力道
木奥なら大丈夫だろ、今日も実習ある訳だしさ!頑張ろうぜ!
あなた

砂糖くん…

緑谷 出久
木奥さん、
傍から優しい声がして、その主の方へと視線を移す。
緑谷 出久
雄英体育祭までに残された時間は凄く少ないけど、一緒に頑張ろう!
あなた

うんっ!

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