第169話

4日目、謹慎終了
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2019/08/03 23:44




午後になって、早速張り込みを開始する。

が、何時になってもそれらしき人の足音はしない。
更に足音がしたかと思えば、相手は相澤先生だった。
ドアにぴったりと耳を付けていたので、例の人が来たのだと思い込み、勢いよく開けてしまった。
相澤 消太
お前、何してる?
あなた

あ…えっと…何でもない、です!!!!

(恥ずかしいっ、ずっと相澤先生を待ってた人みたいになってる!それでなくても、絶対誰か来るのを待ってた、って思われてる!恥ずかしい…っっ!)
あなた

ど、どうされたんですか?

相澤 消太
木奥の謹慎を解く。明日から授業に参加していい。といっても、明日は休日だから実質、明後日からだな。あと、
差し出される袋を受け取り、中身を見ていいと言われたので、確認する。
あなた

手袋…

相澤 消太
個性を無意識に使う事がないよう、頑丈に、コスチュームとほぼ同じ作りになっている。肌身離さず持ち歩け。
あなた

あ、りがとう、ございます…

コスチュームと同じ手袋の形。
違うのは、袋の中に腰に付けるベルトが一緒に入っていて、そこに手袋が下げれる様に部品が付いている所だ。
相澤 消太
生徒が誰か来たか?
あなた

A組のですか?

相澤 消太
あぁ。木奥のコスチュームが戻ってきたから、頼んだんだが…まだだったみたいだな。
さりげなく外の壁へと視線を移す。
2日間続いた謎の青いバッグは勿論置いておらず、バッグが回収された後、誰か来た形跡も無い。

相澤先生は仕事に戻る、と言って、私に背を向けた。
私は慌てて、「ありがとうございました。」と頭を下げる。
相澤 消太
…睡眠、食事、しっかり取れよ。
微かに聞こえた、その言葉に驚きを感じながら、私も小さな声で答えた。
あなた

頑張ります。

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