クラスが盛り上がる。
何よりもその中心に私が置いてもらえてることが、幸せだった。
(人とこんな風に関われるのって、やっぱり楽しいっ…)
けど、それは後々、私に決心させる事となるのは分かっていた。
いつかの私の口から出た言葉。
多分、ヘロインの記憶は全部消去済みだ。
けど、それによって、みんなの事を守れたとしても、私が雄英にいる事はジッパーがやんわりと気づいているはず。
いや、ヴィランと共に送り込んで来たって事は、どこかで既に気づいてる可能性もある。
(そうだ、ジッパーが完全にここに足を向けるまで、私がどこにいるか確証を得るまではここにいよう。)
自分が既にここにいる事が居心地がよく感じていて、依存しかけているのも分かってた。
その考えが甘いのも分かってた。
だから、せめて、守ろう。
みんなと過ごせる、この残り少ない時間で。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。