第4話

陽の光
35,790
2018/07/15 21:55
少し辺りが暗くなってきた頃に私はやっとの事で、建物が多く立つ街にたどり着くことが出来た。
ここまで来る途中でゴミに出されていた、黒い大きな布地を手に入れると、私はさっと路地に入り、ブローチでフードを作るように工夫して留める。
あなた

はぁ…

ため息と共に、私は壁にもたれ掛かる。

正直、驚いた。
久しぶりに浴びた太陽の光は、こんなにも明るく、暖かいものだったのかと。

いつもは太陽の光の代わりに、それに似た太陽の光を出す蛍光灯の光を浴びる事によって、作られる栄養素を賄っていた。

だから、真昼間の外に出た時、ものすごく、
あなた

眩しかった…

路地裏で軽く休憩をしたところで、フードを深く被る。
そして、目を閉じ、ブローチを握る。
あなた

大丈夫、誰も私なんかに気づかない。

そう呟くと、私は大きく踏み出す。

少しして、大きな建物の前にやってきた。
あなた

ここって…雄英高校…?

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