第8話

手袋
32,827
2018/08/04 10:56
…少しして、誰かが呼ぶ声が聞こえた。
…お…い、…おい、おい、
駄目だよ、かっちゃん、この子きっと凄く身体にダメージを受けてる
うっせぇ、デク!
私はうっすらと目を覚ます。
リカバリーガール
保健室で騒ぐのはやめてくれ
すみません、リカバリーガール。
あっ、目覚ました!
私の視界に入ってきたのは、茶髪の女の子だった。
私はその子をどこかで見たことがある気がする。
大丈夫?凄い傷あるって爆豪君から聞いてんけど。
あなた

あ、はい、えっと、大丈夫です!あの…どこかで…

え、そうだっけ?ごめん、私、あんまりそういうの覚えとらんから(汗)
私はその反応を見るなり、多分会ったことがないんだと確信した。

(じゃぁ、どこで…?)

ふと緑の髪をした、両頬に少しそばかすのある男の子が目に入る。

(この子も見たことが…)

とりあえず、ゆっくり上半身を起こす。
さっきまでの傷が跡形もなく消えていた。

(凄い!)

けど、どこか身体が極度にだるいと感じている。
あかんよ、無理したら。
あなた

あ、ありがとうございます、…あの、手袋とか無いですか?

私は手をグーにしたまま布団の中に突っ込んでいた。
私の個性の制御の為に渡されていた手袋が、道中で破れてしまっていた。
このまま過ごすのは危ない。
リカバリーガール
軍手ならあるけど?
あなた

あ、それ、頂いてもいいですか?

リカバリーガール
別にいいけど、何に使うんだい?
あなた

えっと、はめておくだけです(苦笑い)

プリ小説オーディオドラマ