第143話

轟くん VS 私
11,344
2019/06/21 12:39
あなた

っ、、

轟 焦凍
お前から来ないなら、俺からまた行くぞ。
『カチカチカチッコチッ…』

また轟くんの右足元から氷が広がる。


(早いっ!)


側転、バク転と繰り返し、退避するが轟くんは一瞬の隙も与えてくれない。
あなた

っ、

(轟くんは遠距離からの攻撃だから、えっと、近づくには、ま)


氷が迫ってくるのが止まったかと思うと、次は轟くん自身が飛び込んでくる。

『カチコチンッ』

殴られそうになるのを間一髪で体を逸らす。

が、轟くんが殴ろうとした手元から氷が地面から突き出ていた。
あなた

っ!!!

(だめだ、考えるとスピードについていけない。ましてや、皆にもついていけてないのに…)

轟 焦凍
おい、
また私が考えるうちに、轟くんは次の攻撃を仕掛けてくる。
轟 焦凍
余所見してる場合か。
あなた

!!

私は後ろへと大きく飛び下がると、木の幹に足をつけ、思いっきり蹴り出す。

宙に浮いたまま、顔を目掛けて蹴りを入れる。
轟 焦凍
あなた

(これは戦いじゃない。後ろのテープだけ取るっていう実習だから)

轟 焦凍
……
焦る顔1つ見せずに、私の蹴りを右腕でガードする轟くんが静かに零す。
轟 焦凍
俺はそんな甘くねぇぞ。
あなた

っ!

(よまれてる!)


『カチカチカチッ…』

轟くんは私が着地するであろう地に、氷を大きく張る。


(やられた!)


私はトンッと後ろに逃げるが、氷に足が滑り、手をつく。

その瞬間、手が氷に固められ、身動きが取れなくなった。

いや、厳密には動ける。

" 手袋を取れば "、の話だが。
轟 焦凍
お前、
けど、
轟くんが私の体、足を氷で動けないようにしなかった理由、
手袋を外せばまだ続行できる状態にした理由がここにあった。
轟 焦凍
個性使ってねぇだろ。

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