遠くの方で『BOOOOOM!!』という爆発音が連続して聞こえる。
(荒れてるなぁ…)
爆発音の主も分かってるし、既に何人かはテープを取られているようだ。
多分、私の思う以上に時間は無い。
※回想(終)
*☼*―――――*☼*―――――
透き通る体が森のごちゃごちゃした景色に紛れられると、透さんの場所の特定が難しい。
なので、尾白くんが透さんが私の背後にスタンバイする時間稼ぎにわざと私が囮としてかかり、
透さんが私のテープに手を伸ばした瞬間に、常闇くんのダークシャドーで一気に森の外へと出してもらう算段だったのだ。
苦笑いをしながら、私は辺りを見渡す。
(思った以上に狭いかも。)
透さんは森の外。正直、後は影とテープの動きを見ながら、背後に回り込めばなんとかなりそうだ。
出来れば尾白くんのような直近型の相手とは組みたくない。
私は一瞬の隙を窺って一気に近づき、攻撃して離れるタイプ。
けど、常闇くんの個性だと、狭すぎるこの木々の間では多分力が思うように発揮できない。
私の考えを察したのか、常闇くんは了承してくれた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。