第200話

爆豪 勝己side
9,719
2019/10/26 15:04
あなたが顔を上げるのも待てず、思いっきり抱きしめる。


納めきれなかった。

溢れ続ける何かを、堪える事は出来なかった。

あなたの夢の中なら、俺はきっと許されるだろう、と、
気がするという先程の感じ方は願望に近い確信と化してしまった。
爆豪 勝己
…間違ってない。
あなたの顔は見えない。
どんな表情を、気持ちをしているのか完全に見えない。

でも、今朝の眠る姿が浮かんだ途端、この言葉が口から出ていた。
爆豪 勝己
夢ん中ならどんだけ泣いても構わねーだろー…


唐突すぎて驚く。


爆豪 勝己
…が。
ホロホロと温かいものが零れては俺の肩へと落ちていく。
それに気づいた俺は意識せずともより一層、抱きしめる力を込めてしまう。
あなた

大丈夫、っだから。

爆豪 勝己
あなた

大丈夫っだか、らっ、

嗚咽を必死で我慢しながら、話し続けるあなた。



ふと、脳裏に寝室で1人で泣いていた時を思い出す。

誰にも頼らず、1人で孤独に泣いていたあなたを。
あなた

もう、1回、っ間違えてないって、言って。

爆豪 勝己
…間違ってない。

(…)


あなたに何があったのかは知らない。



俺達に隠し続ける何かがある事は、勿論分かっていた。



個性の事、

慣れた戦闘術、

血の付いた後のある軍手、

衰弱している身体、

青く変色した瞳。



他にも謎が多い。
爆豪 勝己
あなた

勝己、ありがとう。もう、大丈夫。

俺はその言葉を聞いて、そっと手を離す。
あなたはもう一度、「ありがとう」と言った。
爆豪 勝己
ん。
あなた

勝己、あのね、

爆豪 勝己
…あ?
あなたの白く細く、そして少し冷たい手が俺の両頬を包む。

それから、あなたは俯く。
あなた

私、勝己にとても感謝してる。こんな私を見つけて、雄英に連れて来てくれて、皆にも会わせてくれて…私が辛い時、必ず傍に居てくれる。

爆豪 勝己
あなた

私ね、本当はここに居ちゃ駄目なんだよ。こんな風に誰かと関わるはずじゃなかったんだ。


(震えてんのかよ…)


微かな震えが頬に響く。
あなた

私は普通じゃないから。

その言葉を聞いた俺がどんな気持ちなのかも知らぬまま、あなたは「へへっ」と笑う。
あなた

でも、勝己のお陰で今、本当に幸せだよ、本当に

あなたは今まで見たことの無い様な笑顔を見せた。

本当に…








綺麗だった。
あなた

ありがとう、





(…っ、)


あなたの両頬に触れていた両手を下ろさせる。
爆豪 勝己
あなた、目閉じろ。
あなた

え、あ

何も言わせない。


俺はあなたが目を閉じる前に、自分の手で目元を覆う。


最後まで抵抗しないあなたに、





俺は、









唇を落とさずには居られなかった。





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こんにちは、さくらどろっぷ.です🌸



いよいよ、この作品も最終章に突入します!


ヴィラン・ジッパーは勿論、ヘロインから伸びる魔の手から、
今まで必死に戦い、立ち向かってきた木奥あなたさんの長いこれまでの軌跡(200話)もとうとうクライマックスです。


木奥さんがその先に何を見たのか、

そして彼女に降り掛かる最悪、待ち受けるものとは一体何なのか。



詳細等は『the moon blooms .』に目を通して下されば幸いです👀💭

(👆『the moon blooms .』…お知らせや雑談等のお部屋を始めてみました! 是非、其方の方もよろしくお願いします!)




乞うご期待下さい!🙋🏻‍♀️🌷

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