第193話

爆豪 勝己side
10,351
2019/09/17 16:49
あなたの謹慎が解けると聞いて、ババアにも連絡すると、迎えに行けと言われた。

ついでにあなたを連れて服とか揃えたい物を買ってこいとか、このキッチン用具が欲しいとか言われ、幾らか金を渡された。


(登校時間には流石に起きてんだろ…)


そう思いながら休日の学校に出向き、あらかじめ教えて貰っていた部屋の前に立つ。

『コンコン』

ノックをするが中から返事はない。

『…』

それどころか物音ひとつしていないようだ。

扉が開いている気がして、レバーを回してみる。

『ガッチャッ』
爆豪 勝己
…あ?
(開いてんじゃねぇか…鍵ぐらい閉めろよ…)


そのまま入っていくのもな、と思い、「あなた、」と呼んでみるが返事は無い。
爆豪 勝己
入んぞ。
ズボンのポケットに手を突っ込みながら、部屋に入り、ドアを閉める。

キッチンにもシャワー室にも居ないようなので寝室へと進んでいくと、
ベッドの上でスヤスヤと眠るあなたの姿があった。

小さく丸くなって眠る姿を見て、ただでさえ背丈も低いのに更に小さく感じた。

傍には青いバッグと俺が届けるはずだったコスチュームが置いてあった。
それを目に入れた瞬間、急にイラッとしてしまった。


(半分野郎か…アイツ、何考えてんだ…?誰かを気にかける様なキャラじゃねぇだろーが。)
爆豪 勝己
チッ。
(…何か作るか。)


一度キッチンに行き、色々と物色しているとオールマイトが届けてくれたのか、食材が幾つかあった。
女が使いそうなメモに
『木奥少女へ。謹慎解けると聞いたよ。これからも頑張ってくれ!オールマイト』
と自筆であり、食パンの袋に貼ってあるのを見て、少し驚く。


(食パンに卵…蜂蜜…バットもあんのか。)


調理台の上に食材や調理器具を粗方並べると、腕まくりをして手を洗い、調理に取り掛かった。

食パンを卵や牛乳等を混ぜたものに浸して、冷蔵庫にしまうと、俺はあなたを起こす為に寝室に向かおうとした。

途中でテーブルの上のある物に気づく。
爆豪 勝己
何だこれ…?
それはあなたがいつも付けている手袋だった。
ふと手に取って裏側を見る。
爆豪 勝己

プリ小説オーディオドラマ