第223話

オールマイトなら
9,134
2019/12/31 13:39
ヒロイン
何言ってるの?!そんなの、ヒーローに任せて……その制服、雄英高校の…まさか、
あなた

はい、

私は煙の奥でゆらゆらと立ち上がる影から、一度、目を離す。

そして、私の後ろで震えている女優さんに振り返った。
あなた

雄英高校、ヒーロー科です。

ヒロイン
ヒー…ロー科……それでも、駄目よ!危険すぎる!私達と一緒に
あなた

駄目です、逃げません。私は私の出来ることをして、ここに居る皆を守りたい。貴方は貴方が出来ることをして、皆を守ってあげて下さい。

ヒロイン
私が『守る』って…どうすれば…
あなた

貴方は凄い人。この中で誰よりも影響力を持ってる。皆に避難誘導を指示して下さい。誰も危機的状況なのに気づいてない。

ヒロイン
本当だ…どうして…?
あなた

何かの演出だと思っているんです。

周囲はザワザワとしたまま、一向に避難する感じは見れない。
ヒロイン
でも…
あなた

不安ですよね、怖いですよね。

でも、もう大丈夫、

そう言った私は視線を前に戻し、口角を上げた。

出会った時は憎いと思っていた彼とその言葉。
でも、手の届く範囲は全部助けるという志。

デクくんの記憶を覗き、彼とデクくんの関係、彼の限界を知るからこそ、


今はこの言葉の重みが分かる。
あなた

私が来ましたから。

『トンッ』

前へと走り出した私は、1周回転しながら背のバッグをヘロインの顔面へと放り投げる。
ヘロイン
ッ!
その瞬間にヘロインの懐へと入った私は、地面を軽く蹴り、宙に浮いた状態でヘロインの顔面を蹴り上げる。

『ガンッ』

見事に直撃したヘロインの頭部は後ろに折れ、私は腹部の大きな目玉に一発殴り込んだ。

『パリンッ』

腹部の目玉には前と同じくビデオカメラ機能が付いていたようで、レンズの破片が腕や拳に刺さりまくる。

手袋をした拳から、そして殴り込んだせいで出来た腹部の目玉の穴から血が滴り落ち始める。


(オールマイト…、)
あなた

っ!

私は腹部に殴り込んだ拳が抜けなくなった事に激しく動揺する。

顔を見上げた途端、長い舌を出したヘロインの口角が上がり、口が開いてボロボロの牙達が見える。
あなた

っっ…!!


(オールマイト、私、怖いよ。前は思わなかったのに、怖い…)


USJ事件の時は怖いなんて思わなかった。


でも、今は怖い。



死ぬよりも、皆の元から離れるのが嫌で怖くて仕方がない。



でも、もっと怖いのはここに居る人々が傷つく方がもっと怖いって、

思える様になったんだ。



✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚


こんにちは、さくらどろっぷ.です🌸


今年も沢山の人に私の作品を読んで頂き、
ありがとうございました。


私はまだまだ未熟で、言葉のボキャブラリーも少なく、私の世界観では生きにくいと感じる人もいらっしゃると思いますが、
私の作品をここまで読んで頂き、ありがとうございました。🙇🏻‍♀️💭


今年もあと1時間半を切り(当時22:34)、遅くなりましたが、
皆さんが快く新年をお迎え出来る事を心より願っております。☺️💓


今年は大変お世話になりました。
皆さん、良いお年を〜👏🌷



さくらどろっぷ.

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