第6話

大丈夫です(汗)
33,693
2018/08/04 10:20
『バサッ』

気づけば、視界は横倒しになっていた。
私は腕に力を入れ、上半身を起き上がらせる。
その姿を見て、覗きこむように、ぶつかってしまった相手が聞いてきた。
あぁ?大丈夫かよ、お前。
あなた

あはは、えっと、大丈、夫です!

(だめだ、顔を見られるっ!)

出来る限り顔を背ける。
それを見てか、フンッと鼻で笑う相手。
体に力入んねーのかよ。
あなた

いや、そんな事は!

…お前、傷だらけじゃねーか。
私は慌てて、マントから見えた足の傷を隠す。

(やばい、見られた。)

と、後ろの方から「おーい!」と、数人の男の子の声がした。
おーい、爆豪〜!
私たちの近くまで来たところで、会話が始まる。
帰るなら、一声かけろよな!
一瞬、爆豪の事、探しちまったじゃんかよ!
あぁ?なんで、てめーらに一声かけなきゃなんねーんだよ。
そんな会話も束の間で、すぐに周りも気づいたようだ。
…どうした?この人。
…ここでぶつかった。
で、何で座ったままなんだ?
知らねーな、てかこいつ保健室に連れてけや。
は?!何で俺ら?!
私はすぐさまにその言葉に答える。
あなた

大丈夫ですっ、本当に大丈夫なんで!

にっこり笑いながら言う。
そして、私は1つ過ちを犯してしまった。

いつものように顔を上げてしまった。
完全に顔がバレる。
全員
女…?

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