ニヤッと笑う勝己に私は嫌な予感がして、勝己が轟くんと話している間に急いで氷柱を順につたって降りていく。
(ひぃぃ…あの2人の火花がいつ爆発するのか怖すぎる。)
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地面まで降りて来たのはいいが、靴と手袋のある、さっきの場所とはまるっきり違う場所に下りたようだった。
滑った時に皮膚が擦り切れ、低温火傷のせいで足の裏が立っているのなやっとというぐらい痛い。
足を進めようとすると、ヒリヒリと微風に仰がれて痛む。
ただ驚いた事に、
またもや常闇くんと障子くんのテープをめぐっての戦いの場に出くわした。
一旦、一定の距離を離れた2人の間に入るようにして話し始める。
そっと指を上へと指す。
直後に爆発音が何度かして、怒鳴り声がこちらに近づいてくる気がした。
私が首を傾げ、「石か何か?」と聞くと、「推測ではな。」と障子くんが答える。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!