第190話

2人きりの公園で
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2019/08/28 14:22




夕方、勝己が私にソフトクリームを買ってくれた。
2人でショッピングモールの近くの公園のベンチに腰掛け、皆の私の謹慎の間の様子について話した。

勝己はソフトクリームを食べる前から何処か不機嫌で、どうやら私が怒らせてしまったらしい。


(はしゃぎすぎたかな…楽しすぎてハメ外しすぎた…?)


夏に近いため、日が暮れるのが遅いもののあっという間に一番星が見える暗さになってしまった。
あなた

そろそろ帰る?

爆豪 勝己
あなた

私、ごみ捨ててくるね。

勝己からソフトクリームのゴミを受け取ると、公園のゴミ箱に捨てに行った。
その時に気づいたのだが、公園には私と勝己しかいなかった。


(まぁ、この暗さだからね…子ども達が帰る時間だからね…)


戻って来ると、勝己は買い物袋を傍らにベンチに座ったまま下を向いていた。
爆豪 勝己
あなた、
あなた

はい?

爆豪 勝己
ここ。
勝己は自分の前に指を指すと、「来い。」と言った。
あなた

はい。

言われた通り、勝己の前に立つ。
爆豪 勝己
しゃがめ。
あなた

あ、はい。

そっとしゃがむと、勝己の顔を見上げる。
やはり勝己は私よりも随分大きい、と改めて感じた。
爆豪 勝己
あなた

爆豪 勝己
てめーは言われたら何でもすんのか?それとも、俺が言うからすんのか?
勝己が何を言っているのかも、どういう意味なのかも分からない。
爆豪 勝己
…ちょっとは警戒心を持て。あなたがそんなんじゃ、何されても文句言えねーぞ。
あなた

…え、警戒心持ってるよ?

爆豪 勝己
あー…
あなた

それに勝己や皆が居るから大丈夫!

爆豪 勝己
それが問題なんだろーが。
あなた

???

爆豪 勝己
隙だらけだ、つってんだ。
あなた

あぁ、そっちの話か(汗) でも、褒めて欲しいよ、あの轟くんを相手にあんだけ頑張ったんだから。

爆豪 勝己
あなた

…あれ、実習の時の話じゃなくて?

爆豪 勝己
…てめーがどれだけ無関心なんかよく分かった。
(本当にどういう意味なのか分からない…。)


私はしゃがんだまま、「ははは…」と苦笑した。
爆豪 勝己
まぁ、いい…ちょっと目閉じろ。
あなた

は、はぁ…

迷いながらも目を閉じる。


(人の言うことを聞く事に言ってるのかな…?)
爆豪 勝己
あなた

爆豪 勝己
はぁ…
かなり大きなため息が聞こえて、勝己の匂いが近くなった。
首に何かが触れて少しこそばゆかったが、じっと我慢する。

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