第52話

さらば、前髪
19,234
2018/08/18 13:50
これ、着てね!制服は洗っておくから。
あなた

あ、ありがとうございます。

ほら、あなたちゃん、こっち来て!
私は与えられた服の袖に腕を通すと、呼ばれたところに歩いていく。
そこには大きなドレッサーがあり、爆豪くんのお母さんがくしを持って立っていた。
ここ、座って!
言われた通りにドレッサー前の椅子に腰を下ろす。
と、持っていたくしで私の髪をとき始めた。
私、女の子が生まれたらこういう事するの夢だったんだよね〜!
あなた

えっと、確か爆豪くん、男の子1人だけでしたっけ?

そうそう!男の子1人!
と、私の前髪に触れる。
前髪、邪魔じゃない?
あなた

あ、いえ、そんなにですよ?

でも、実習とかで大変そうだし…この際切っちゃおか。
あなた

へっ?!

いいじゃん、いいじゃん!絶対その方が可愛いよ、あなたちゃん!




爆豪くんのお母さんに連れられて、リビングに来ると、ちょうどお風呂から上がってきた爆豪くんと目が合う。
爆豪 勝己
はぁっ?!なんで、俺の服着てんだよ!
だって、私のじゃちょっと大きいかなって思ったの!
あなた

ごめんね、今日だけ借りさせてね(汗)

爆豪 勝己
おぅ…てか前髪切ったんだな。
あなた

あ、うん、爆豪くんのお母さんに切ってもらって。

うん、さっぱりしてていいんじゃないかな。
さっぱりした私の前髪の話はすぐに一段落して、その後はみんなでご飯を食べた。

温かくて、美味しくて…幸せっていうものを感じた気がした。


それと同時に爆豪くんが羨ましく思えた。

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