第167話

3日目、預かり物
10,529
2019/08/02 10:56
『コンコン』


ノックの音が玄関から響いてきたので、ドアを開ける。
あなた

はい?

リカバリーガール
いつも鍵をかけなさいって言ってるだろう?
あなた

そんないきなり入ってくる人なんて居な

言いかけた瞬間、昨日のオールマイトを思い出す。
あなた

分かりました、鍵かけます。(笑) それより、どうされたのですか?

リカバリーガール
オールマイトからの伝言だよ。『今日の演習状況を相澤くんと見て判断した。』
実は今日はスナイプやエクトプラズムに銃の扱いやナイフの扱いを見てもらった。

手を合わせたりは無かったが、模型の練習台を使って実際に行った。
あなた

やっぱりテストだったんですね。

リカバリーガール
まぁ、私は詳しくは知らないけど、結果、
私は何となく答えが分かっていた。

根拠はないけど、多分、条件付きの結果になる。
リカバリーガール
持たせる、ってさ。
(やっぱり。)
リカバリーガール
その代わり、外への持ち出しは厳禁。
あなた

分かってます、危なすぎますから。

リカバリーガール
それから、これを預かってるよ。
リカバリーガールから手渡されたのは、ずっと気がかりだった物だった。

それは透明のビニール袋に入れられていた。

けど、留めるピンの部分のは壊れ、既にバラバラになっていた。
メインの赤い石の部分も傷が入っている。周りの装飾の部分もかなり欠けている状態だった。

変わり果ててしまったブローチの姿に私の呼吸は止まってしまう。
リカバリーガール
仕方ないよ。実習の場だったからね。
あなた

リカバリーガール
私は優しく胸の前で壊れぬよう抱きしめた。
あなた

見つかって…良かった…

どんな姿であれ、見つかったことに感謝した。
あなた

誰が見つけてくれたんですか?

リカバリーガール
クラスの子達だって言ってたよ。
あなた

お礼、言わなきゃ。

リカバリーガール
…それ、誰かからの贈り物?
あなた

はい。

私はブローチを見て、また微笑む。
あなた

母からの最後の誕生日プレゼントなんです。

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