第184話

召喚
10,604
2019/08/19 16:17
ブワッと強く吹いた風が心地いい。
陽の光の暖かさが体全体で感じられた。
登校中に勝己と見る、日向ぼっこを楽しむ猫達はこんなに気持ちよく感じてるのだろうか。
あなた

ん…

(あれ、窓、開けたままだっけ…?昨日、確か閉めたはず…)



ふと、手に何かの感触を覚えた。
それに甘い匂いが一瞬鼻に触れた気がする。


(え…)


ゆっくり目を開く。

私の手にはあのブローチ。


(いつの間に…?)


さらに驚いたのは私の手の向こう側にあった。

少し尖った爆発頭に、少し焼けた肌。
久しぶりに見る私服を着ている。
いつもの表情からは想像が出来ない、穏やかそうな顔をしている。
あなた

か、つき…?

信じられなかった。
確かに、謹慎していたこともあって、皆に会えないのは苦だった。
けど、だからといって、夢に勝己を召喚するとは思わなかった。


ましてや、私の隣で寝ているなんて事を私が望むとは。
あなた

勝己、

体を揺すったが、反応はない。


(ちょっと…焼けた?)


軍手をはめた手で、勝己の頬に触れようとする。
爆豪 勝己
んん…
その時、勝己の腕が私の背へと回ろうとし、
あなた

思わず、勝己に背を向け、反対側を向く。
爆豪 勝己
あなた

ちょ、

それでも腕は回ってきたままで、触れる感覚も全部リアルに感じた。


(私、皆に会えてないから異常に飢えてるのかなぁ…)
あなた

ちょ、ちょっと待っ

抵抗するが、勝己の腕にあっという間に捕まり、後ろから抱きしめられる様な形になった。


(あぁぁぁあっ…夢でこんな事を欲してるとは、恥ずかしい!!)


添い寝など、最後にしたのはきっと私が幼児の時だ。

けど、私の夢などにようやく出て来てくれた勝己を容易く離したくもなかった。
爆豪 勝己
スー…スー…
寝息が首にかかる。
それがくすぐったい。
あなた

ふふ

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