第12話

間に合え 達也目線
389
2021/05/20 08:41
太我も同じく胸騒ぎがしたようで、
これまでにないくらい大急ぎで病院へ向かった、
達也
達也
はぁ、はぁ、はぁ!
間に合え…っ!
病室についた、その時だった。


ピーーーーーーー






不穏な音がした。
達也
達也
…!
太我
太我
そこには、綺麗な顔で眠っているはるがいた。
医師
…達也さん、太我さん、すいません
医師
我々も全力は尽くしました
話しによると、救急車が事故現場に到着するまでに時間がかかってしまい、その際に細菌が入り込んだんだと。
検査もしたが、細菌が隠れており見つけられなかったとのことだった。
それが今日急に悪さを始めたらしい。
達也
達也
はる…待ってくれよ…嘘…だろ…
太我
太我
おい…やめろよ…ドッキリだとしたら不謹慎すぎるって…
よく見ると長いまつげ、
整った顔立ち、
入院していて手入れしてないのに
サラッサラの髪。
全てが苦しみを強調した。



「達也くん!」

嬉しそうに

「達也くん…」

悲しそうに

「達也は~w」

慣れない呼び捨て

「達也くん…(照)」

照れ臭そうに

「達也くん」

真面目に

今まではるにはたくさん名前を呼ばれた
どの声も大好きだった
どんな言葉を言う表情も
仕草も
全て
全て
大好きだった
はるは甘えるのが好きだった、
一番年下で、一番身長が低いはるは
女の子のようだった。
女の子のような顔立ち、仕草とは反して
どんなにコメントで言われても
批判がきても
耐えて、笑顔で動画に出た
頼れる男だった。
ファンは
可愛い
ばっかりだったけど、
はるは最後までかっこよかった。
自分の役目を最後まで果たした。
Twitterもインスタも更新して

「ファンを楽しませる」

俺らの役目を最後まで果たしていた。











頑張ったね




その意味を込めて、




頭を撫でた。
達也
達也
うっ…っ…うわぁぁぁぁ…!!
その瞬間溜めていたものが一気に溢れだした。
その日は予定があったため、少ししか顔を見ることができなかった。

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