友達も昔から少なくて、
「あなたちゃんの得意なことって、何??」
そう聞かれても答えられなかった.
どこに居ても空気のような私が居なくなったら、悲しんでくれる人は居るのだろうか...
ある時思い立って、
中学生の頃、母親に聞いたことがある.
“ねぇ、お母さん.私を産んで良かったと思う??”
何も答えてくれなかった...
その時から、
いつも優しかった母親の態度が変わってしまった。
高校からは、変わりたい.
そう思って、
色々な人に話しかけて...沢山友達が出来た.
すごく嬉しくて、優越感でいっぱいだった...
でも...
「あなたって使えるよねぇ...」
「それなぁ!!パシり?みたいなw」
「そうそう、オレらのこと信じちゃってさ」
「イマドキあーいう純粋ぶってるの痛いよね」
「ちょ、言い過ぎぃw」
あれ、友達ってなんだっけ...
ものを貸したり、親切にしたり...やなことも多少は我慢して...そういうものじゃ、ないんだっけ??
ちゃんとした友達のあり方が分からない私には、
目の前で言われている事が何なのかすら、呑み込むのに時間が掛かった...
何をやってもダメなのかな...
今まで積み上げてきたものが全て崩れてしまったような気がして、
俯いていた自分の顔から、雫が落ちる.
やっぱりダメなのかな...
声のする方へ、顔を上げると
そこには...___________
続く_☆*
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。