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第16話

呼び出し
健先輩にメッセージを送り、あたしはお昼休憩を一緒に取ることになった。
健 先輩
健 先輩
春奈ちゃん、お昼食べる前に話があるって、言ってたよね?
春奈
春奈
はい、実は確認したい事があって……
健 先輩
健 先輩
どうしたの?   改まったりして
あたしはぐっと握りこぶしを作って、意を決して口を開いた。
春奈
春奈
あの、あたしと付き合ったのって、陽太に対して当てつけとか、じゃないですよね……?
健 先輩
健 先輩
……どういう事?
どことなく健先輩の声色が変わった。

それは怒ってるようにも聞こえて、あたしは慌てて握っていた拳を開いた。
春奈
春奈
あっ、昨日映画館のトイレで陽太が偶然聞いたらしいんですけど、その健先輩の前カノが先輩を振って陽太に告白したって。だから陽太に仕返しする為にあたしと付き合ってるって……
これ、自分で言っててかなり落ち込む内容だな……なんて、一人ダメージを食らってると、先輩はあたしの手を握りしめてこう言った。
健 先輩
健 先輩
あははっ、そんな事気にしてたの?   そんなの嘘に決まってるでしょ
春奈
春奈
えっ?
健 先輩
健 先輩
確かに柊はアイツの事が好きらしいけど、それはもう俺と別れた後だし、そもそも俺に告白してくれたのは誰だっけ?
そう言って先輩は結んでいるあたしの髪を一房取った。
春奈
春奈
(確かに、告白したのはあたしからだけど……)
告白OKしてくれたのは柊先輩への当てつけか、陽太への逆恨みなんじゃないかって考えが、なくもない……。
健 先輩
健 先輩
なに?   腑に落ちないって顔してるね
春奈
春奈
あっ、いえ……
健 先輩
健 先輩
彼氏の俺の言葉より、ただの幼なじみの言葉を信じるの?
春奈
春奈
そんなっ!
先輩はあたしの髪を掴んだまま、そこにキスを落とす。

そしてーー。
健 先輩
健 先輩
まだ、だめ?
先輩はあたしの顔に顔を近づけてきたけど、それをあたしは避けてしまった。
春奈
春奈
ごめんなさい、その、今混乱してて……
あたしがそういうと、先輩ははぁ、とため息を零した。

あたしはそのため息を避けるようにして、一歩先輩から距離を取る。
健 先輩
健 先輩
俺、春奈ちゃんの気持ちが分からないよ
春奈
春奈
先輩……
健 先輩
健 先輩
キスはずっと拒まれるし、俺の言葉より幼なじみの言葉の方を信じてるみたいだし
あっ、まずい。

そう思ったその時だったーー。
陽太
陽太
当たり前でしょ。だってあんたの言葉や行動は全て嘘なんだから
先輩に歩み寄ろうとしたその時だった。

背後からグイッと力強く体を引き離された。

一体誰が? そう思ったと同時にあたしの肩を掴んで離さないのは、陽太だった。
陽太
陽太
悪いけど、もう遠慮するのはやめた。春奈ちゃんは返してもらいますね
春奈
春奈
よ、陽太……!
陽太はあたしの口元にそっと人差し指を当てて、微笑んだ。

でもそれは、最近見かける憎たらしいような笑みでも、いつもあたしにすり寄ってくるような笑みでもなく、どこか悲しみを含んでいるように見えた。