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第6話

腐れ縁卒業
百合花
百合花
すごいね。それで健先輩と付き合える事になったんだ?
体育の授業で、今日はバスケ。

隣のクラスと合同体育で、あたしと百合花はチームが試合を始めるのを体育館の隅の方で座って待っていた。
春奈
春奈
うん、そうなの!   でも正直なところ、今でも夢なんじゃないかって思ってる
あたしはタオルに包んでこっそり持って来ていたスマホを覗き込んだ。

そこには健先輩からのメッセージがちゃんとある。

昨日の夜も今朝もずっとメッセージのやり取りをしていたから。
百合花
百合花
ねぇ春奈ちゃん。あそこですっごい視線送ってる人がいるよ……
得点係をしている陽太がずっとあたしを睨むみたいに見つめてる。
春奈
春奈
……知ってる。
あれは気にしないで、あんなの放っておくに限るから
とか言いながら、あたしは陽太に向けて中指を立てた。
陽太
陽太
!!
あたしは再び百合花の方に向き直る。陽太には背を向ける形で。
春奈
春奈
とにかく、これで陽太の呪いは終わった。あーよかった!
百合花
百合花
陽太くんの、呪い……?
確かに今呪いかけそうなほど睨んでるけど……
あたしが背を向けて見えない分、百合花からは陽太の姿がよく見えている。

そんな陽太の事をチラリと見た後、なんとも言えない顔で苦笑いを零した。
春奈
春奈
違う違う。陽太といるといつも彼氏作るチャンスを逃すんだよね。邪魔するし
百合花
百合花
じゃあ今回もそうなるんじゃないの?
春奈
春奈
大丈夫。だって健先輩は上級生だから下手な嫌がらせなんてできないだろうし、それに今回はもう付き合っちゃってるし
付き合う前の段階なら陽太はここぞとばかり邪魔をしてくる。

あたしが好意を抱く相手と二人きりにならないようにとか、ひどい時にはあたしと陽太は実際は付き合ってるとか周りに言いふらしたりとか……。

思い返してみると、陽太ってなかなかのクズだ。

昔の怒りがメラメラと湧いてくるのを感じる。
春奈
春奈
だからさ、百合花。陽太を落とすなら今がチャンスだよ!
百合花
百合花
なっ、何言って……!?   わっ、私はそんなつもりは……
百合花は再び真っ赤に熟れたトマトになった。

さらに周りにはクラスメイトや隣のクラスの生徒がいる。

みんなバスケの応援に夢中になってるか、あたし達みたいにおしゃべりに夢中で、人の話なんて聞こえてないというのに、百合花は辺りをキョロキョロと見渡している。
春奈
春奈
気になるんでしょ?   ならいいじゃん。失恋後に優しく慰めてあげると案外コロっといくかもよ。陽太って案外単純だから
百合花
百合花
でっ、でも……
百合花はなんだかんだと言いながら思ったよりも乗り気な様子。

真っ赤な顔で俯きながらも真剣に悩んでる様子が見て取れる。
春奈
春奈
(これは押したらいけるかも……)
あたしは百合花の両手をギュッと握りしめてこう言った。
春奈
春奈
あたしを助ける為だと思って、ね?   あたしも百合花と陽太が上手くいくように全力でサポートするから!
百合花と陽太が上手くいけば、陽太はあたしと健先輩との関係を邪魔しようともしなくなる。

双方にとってハッピーな結末が待ってる!
百合花
百合花
……春奈ちゃんが、そこまで言うなら……
百合花はコクンと小さく首を縦に振った。
春奈
春奈
……!
やった! あたし頑張って百合花を応援するね!
俄然やる気が湧いてくる。17年と3ヶ月。

やっと陽太があたしから卒業する日を迎えられるんだ。

あたしは気合いを入れて握りしめた百合花の両手をさらに力強く握りしめた。