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第4話

百合花の想い人
春奈
春奈
(……え、えーっと)
相変わらず真っ赤に熟れたトマトを連想させるような顔色で、ほんのり潤んだ瞳をした百合花を見ていると、彼女の真剣な様子が見てとれる。

だけど、ここでまた勘違いしてはいけない。そう思ってあたしは別の方向性に目を向けた。
春奈
春奈
確かに陽太って危なっかしい感じするもんね……?
それなら気になっても仕方ない。そう言おうとしたその時、百合花は掴んだあたしの腕をブンブンと左右に振った。
百合花
百合花
もー、そうじゃないでしょー!ってかなんでそうなるの⁈
やっぱり違う。となれば……。
春奈
春奈
じゃあやっぱり百合花は陽太の事が……?
熟れたトマトだと思っていた百合花の表情は突然火山にすり替わり、ポンっと小さく爆発した。

そんな風にコロコロ変わる表情をした百合花を見るのは初めてで、あたしは百合花の熱気を感じて思わず身を引いた。
百合花
百合花
別に好きとか言ってるんじゃないよ!   ただ、ちょっといいなぁって思うだけだからね
そのちょっといいな、っていう感覚がまず分からないのだけれど。とりあえずあたしは首を縦に振って同意した。
春奈
春奈
好みはまぁ、人それぞれだもんね
もし神様があたしに幼なじみを選ぶ権利をくれたとしたら、あたしは間違いなく健先輩を選ぶ。

そしたら陽太じゃなくて健先輩があたしの事を好きになってくれてたかもしれないし。
百合花
百合花
ちなみになんだけど、本当に春奈ちゃんは陽太くんの事ただの幼なじみだと思ってるんだよね……?
春奈
春奈
うん
あたしは迷いなく、キッパリとした口調でそう言い切った。
百合花
百合花
そっか。なら、もしかしたら私にもチャンスがあるかも……
春奈
春奈
チャンス?
百合花
百合花
あっ!
百合花は両手で口元を覆い隠した。

それと同時に再び顔は真っ赤に染まっていく。
春奈
春奈
やっぱり、それって……ふがっ!
百合花は自分の口を塞いでいた手で、今度はあたしの口元を覆った。
百合花
百合花
ちっ、違う!   ただ興味があるだけだから‼︎
春奈
春奈
(興味ねぇ……)
百合花に口を押さえられながら、あたしはふと思いついた考えにニンマリとほくそ笑んだ。
春奈
春奈
(もしも百合花が陽太とくっついたら……あたしは陽太の子守りから解放されるんじゃ……?)
彼氏がいない歴史17年と3ヶ月。

それもこれも陽太がいつもあたしのそばにいて、あたしが気になった男子との間をいつも邪魔してきたせいだ。

いい加減陽太の魔の手から抜け出さないと、このままでは華の十代を謳歌できないじゃないか。

……この好機を逃す手はない。