僕と片倉さんは、寮長に連れられて、寮の中の個室の談話室(予約がないと使用出来ない)に来た。
寮長が談話室のドアを開ける。
…と、そこには、僕達の担任で片倉さんの姉である、茅野…サキ先生がいた。
片倉さんじゃなく、サキ先生を…?
僕は完全に話についていけていなかった。
サキ先生が、僕に顔を近付けて尋ねる。
あっ、噛んじゃった…
一瞬沈黙が訪れる。
驚いたのか、3人とも呆然としている。
すると…
なぜかサキ先生に締められた。
僕が見上げてサキ先生を見ると、サキ先生の抱き締める腕の力が強まった。
片倉さんが僕からサキ先生を離そうとする。
片倉さんが頬を赤らめる。
この人達は、すごく温かいな。
片倉さんとサキ先生の姉妹らしいやり取りがほほえましく感じた。
《続く》
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!