僕は目を覚ます。
昨日片倉さんに言われたことで頭がいっぱいになり、あまり眠れなかった。
僕が目を擦りながらリビングに行くと…
僕は、寮長やサキ先生に言われたことを思い出す。
「大木くんのことを信頼してるから」
その言葉を裏切りたくない。
片倉さんが、無理に笑顔を作る。
片倉くんは、そう言ってすぐに部屋を出て行った。
黎side
自然と涙が零れてくる。
きっと、私のことを思って、ハッキリと断ってくれた。
それは分かってる。けど…
大木くんから直球に言われると、こんなに苦しい。
…もう、大木くんのことなのか、流星くんのことなのか、自分でも分からない。
だけど…無意識に私はそう嘆いていた。
昴side
僕は、「何か変なこと書いたっけ...」と疑問に思いながら、サキ先生について行った。
バタンッ。
じゃあ、10年...
サキ先生が女の子同士の恋バナのノリで僕に聞いてくる。
サキ先生に眼鏡を外される。
「僕と片倉さんはただのルームメイト」
そう、心に言い聞かせてきた。
だから、もうこのままただのルームメイトとして、最低限の関わりを保つ。
もう決めたんだ。
僕は、拳に力を込めた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。