寮に戻り、ため息をつく。
片倉さんは脱衣場で私服に着替えている。
てか、本当に女の子と2人で同じ部屋って大丈夫なのかな…
まあ僕は女の子への免疫(?)もないから、何も出来ないけど…
片倉さんが着替え終わり、脱衣場から出てきた。
片倉さんの長くてサラサラな髪が風になびく。
片倉さんはやっとウィッグを被り忘れていることに気づいた。
片倉さんは、サッとウィッグを被った。
………
何となく口を開けずに、沈黙が続く。
そうしているうちに、部屋をノックされた。
トントン。
ドアの向こうの人が入ってきた。
片倉さんが少し不機嫌そうに言う。
片倉さんどうしたんだろう…
寮長が片倉さんの頭を優しく撫でる。
片倉さんは、嫌がってはいるものの、寮長の手を離そうとはしない。
寮長が咳払いをする。
片倉さんと寮長…すごく距離が近い気がする…
もしかして、両想いとか…?
《続く》
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。