第8話

赤い糸
1,434
2022/07/03 04:00
ナミ猫
ナミ猫
久しぶりに平和なのですーただいつも以上に
…変な気がします()…それでもいい方は温か
い目でご覧ください!
あとなつぴょんさん、いつも以上に心の中で
喋っております
なつぴょん
…何これ
朝起きたら、自分の指に…………







赤い糸が巻き付いていた







なつぴょん
…は?えっと…糸、だよ、ね


試しにハサミで切ろうとしてみたけど、まるで″存在しない″物を切ろうとしてるみたいに刃が空を切るだけだった





なつぴょん
えっと…これあれ?その…運命の赤い糸みたい、な?





いや、それはない…と現実を受け入れられない自分にツッコむ
なつぴょん
…じゃあ夢?
グニっ
なつぴょん
…痛い
夢じゃ…ない?




なつぴょん
じゃあ、本当に…。


ニュースキャスターにも、歩いている人にも全員に赤い糸が巻き付いていた




なつぴょん
(正直言って目がいかれそう…)
控えめに言っても赤、赤、赤…………
しかもピンッと張っている糸もあって一瞬首切られるかと思ったり…実体はないけどどうしても怖い…


なつぴょん
(でも、僕の糸誰に繋がってるんだろ)



まぁ、興味ないけど(ツンデレ風)


でも、目が慣れてきたら「あ、この人の運命の人はこの人か」
とか「あ、あの2人……。(ご想像にお任せします)」とか楽しめるようになってきた



まぁ、そうなると…ね?
なつぴょん
(これどこに繋がってるかめっちゃ気になる…)







運命の人まだ知りたくないっていう自分もいるけど…




好奇心に勝てるわけもなく…
なつぴょん
…まぁ、少しならいいよね…
歩くこと数十分…………(糸ぐちゃぐちゃで何度も見失いました)



僕の目の前には……

自分の家と同じくらい…見知った家があった
なつぴょん
…間違いじゃない、よね



本日2回目の現実逃避をしだした頭をどうにか動かして何度も自分の指と目の前の家を見比べているけど…





赤い糸はまっすぐ…


なつぴょん
いや、まだ決まったわけじゃない…その前に


″あいつ″が出てくる前に早く帰らないと-----

ガチャ


瀬戸あさひ
ん?あれ、ねぇいつ?
なつぴょん
!!



そう、この家は…瀬戸あさひの家だった…小さい頃から親同士の付き合いってのもあって今も時々ゲームしに行ったりしている





てか、家の前にいたのバレた…終わった…………
なつぴょん
(…じゃない!糸は…!)






なつぴょん
…え?




ない…?



瀬戸あさひ
どしたの?




…え?さっきまであった…よね?






瀬戸あさひ
…なつぴょん?





絶対あった…え?何でこのタイミングで…?





なつぴょん
…な、んで



なんか…目の前が…





瀬戸あさひ
なつ!!



瀬戸の言葉を最後に僕の意識は闇に飲み込まれていった


なつぴょん
…ここは…?


自分の家ではないけど見慣れた風景と瀬戸の匂い




…ん?



なつぴょん
(瀬戸の、匂い…?)


ガチャ

瀬戸あさひ
あ、起きた?
なつぴょん
…あ、うん


えっと…まず状況を整理しよう
1、朝起きたら赤い糸が見えてた
2、自分の糸を追いかけたら瀬戸の家に辿り着いた
3、なんか気づいたら瀬戸の部屋にいた
(この時間、約0.5秒)



なつぴょん
あ、糸…!
瀬戸あさひ
糸?
なつぴょん
うん、赤い糸…なんか朝見えるようになってたやつ
瀬戸あさひ
…赤い、糸…?
なつぴょん
ん、多分運命とか、そういう系の




あ、考えることに没頭しすぎてなんか返事してた…まぁ、あいつのことだし本気にはしないだろ
なつぴょん
まぁ瀬戸は信じないだろうけ
ドンッ
なつぴょん


何この状況…っていうかこれ…壁ドンってやつ…?でも何で急に?っていうか…瀬戸顔整ってるなー…昔から女子からモテてたし頭はいいし性格以外は完璧だよな…まぁ、あの性格がいいって話し聞いたことあるな…あれ、そういえば瀬戸に振られた女子がなんか瀬戸には好きな人いるからって言われたって言ってたっけ…あの瀬戸が好きな人かー相当可愛い子なんだろうなーあっ結局赤い糸どこに繋がってたんだろう…(一旦思考停止)
【約1.3秒】



瀬戸あさひ
…誰だよ
なつぴょん
…え?
質問された意味が分からなかったけど…
なつぴょん
(なんか…怒ってる…?)

怒ってる、というよりかは焦ってるような、いつもと違う雰囲気にどうしても動揺してしまう
なつぴょん
だ、誰って…?
瀬戸あさひ
だから、糸を追ってここにきたんでしょ?
その相手を聞いてんの
〇〇?それとも…


瀬戸は僕の糸の行方が知りたいらしい…〇〇とかは瀬戸のご近所さんだ

多分、連絡無しで瀬戸の家に行くとしたらよっぽどの緊急事態か、今回みたいにゲーム以外の理由があるって思ったんだろ…その通りなんだけど
なつぴょん
っていうか、何で知りたいんだよ


どうしても瀬戸の顔ドアップは直視できないので斜め下を見ながら言う
なつぴょん
瀬戸には関係ないじゃん

あ、ちょっと言いすぎたかも…
瀬戸あさひ
……
なつぴょん
(あ、黙っちゃった…)
なつぴょん
…ごめん、今日はありがとう、じゃあ

雰囲気に耐えられずにお礼を言って玄関に向かう
なつぴょん
(…瀬戸のことだし、明日には戻ってる、でしょ)

でも、なぜか壁ドンされた時の顔と最後の、ちょっと寂しそうな顔が頭から離れない…てかほんとあいつ顔いいよな…
なつぴょん
(って、今そんなこと考える暇ないだろっ)

なんかいつもと違う自分にも困惑しつつドアに手をかけた瞬間


グイッ


後ろから手を引かれた


なつぴょん
(えっ?)



声をだす間もなくーーーーー
    唇に柔らかいものがあたった



なつぴょん
(え、えっと、これって…)

その一つの行動で全てを理解した



顔が真っ赤になっていくのを感じる







恥ずかしすぎて顔をあげることもできない
なつぴょん
あ、じゃ、じゃあまたっ



ドアが閉まる


その瞬間、僕の目には自分の指から、瀬戸の指に繋がる赤い糸が見えた



なつぴょん
…明日からどんな顔して会えばいいんだよ…




明らかに、以前とは違う感情を抱きつつ…赤い顔を隠しながらそっと呟いた






【帰り道にて】
なつぴょん
…でも何で急に赤い糸が見えるようになった
んだろ…
なつぴょん
まぁいっか…ちょっと楽しかったし
…あれは想定外だったけど



次の日、人の顔がちくわに見え、腹筋が鍛えられる1日になることは、まだ誰も知らない…

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