店が休業……特にすることもない。
亮太の家はまだよくわかんねぇし、
リビングのソファーでくつろいでいた俺を呼ぶ声。
と、声がするキッチンの方へ向かう。
嘘だろ…。
どうなっても知んねぇならな。
手を洗い、置いていた材料を見る。
これ全部切ればいいのか、?
亮太を見るとニコッと微笑むだけ。
まな板の上に材料を乗せて包丁を握る。
人参、玉ねぎ、じゃがいも…その他もろもろ。
さっそく切る。
自分の思ってるように切れないのが謎。
大きさや形、バラバラになる。
と亮太に包丁を渡し、横から見る。
亮太は左手を丸め、材料をおさえる。
そして、手馴れた手つきで材料を切り始めた。
と、ある程度切ってお手本を見せてから俺に代わる。
俺は亮太がやってた通りに材料を切った。
形や大きさはさっき同様変わることがない。
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鍋を除くとグツグツと香ばしい匂いをさせ、美味しそうなカレーが出来上がっている。
ほぼ材料切って入れてルー入れるだけだったから自信はそこそこにある……が、
時間かけすぎたかもしれない。
いや、…早くしたつもり…。
時計を見ても1時間半は余裕で越していた。
長い間、亮太は壁にもたれかかってちゃんと俺の様子を見てくれていた。
ポンポンと俺の頭を撫でると亮太は皿にカレーを盛る
皿をテーブルに置いて、席に座る。
亮太が1口。口へと運ぶ。
亮太に言われ俺も1口食べる。
亮太が黙々と食べる。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。