〜 亮太side 〜
と、寝てる蓮の額にキスをして寝室を出る。
ちゃんと欲しいもの伝えといたし…
期待…してもいいよな。
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伝票を俺に渡してガチャンッ、と表に戻っていく。
何も無い。
いや、店が終わるまで待て、俺。
キッチンに両手をつき、自分に言い聞かせる。
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ーーー
あれから蓮が来ない。
嬢ちゃんしか注文とってねぇのか?
見に行きてぇけど…今手離せねぇな…
ガチャと、嬢ちゃんが裏に来る。
と、何故か嬢ちゃんが顔を真っ赤にして戻って行った。
ほんと、毎度毎度嬢ちゃんは一言余計だ…//
俺も、さすがに考えすぎてるよな…///
大人しく待ってれば蓮から来るんだ、落ち着け。
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ーーー
キッチンの片付けを終え、表に出る。
いねぇじゃねぇか。
ボロが出ない2人を残す……か。
今のところ順調ってか?
蓮の事だからグダってもおかしくねぇけど。
ガチャンッ、と裏口から蓮が入ってくる。
と、俺の手を引いて家に帰る。
と、ポチに紙を渡される。
紙を開けると「 洗面所 」の3文字。
洗面所に行くと洗濯機に紙が貼ってある。
ベリッと、剥がして開けると「寝室」の2文字。
寝室に行くと、
りんがいて、よく見ると首輪に紙が挟まれている。
いつまで続くんだこれ、
と、紙を取ろうと手を伸ばしたらぴゅんっと
俺の股の間をくぐり抜けていく。
りんがベッドの下に潜り込んでいく。
りんが俺の足元に来て、顔を擦りつけてくる。
りんを持ち上げて紙を取る。
紙を開けると「 蓮 」の1文字。
やっとだ。
リビングに向かうと、
パンッ !とクラッカーの音が響く。
驚いたのはどうやら俺だけではないようだな、笑
りんを床におろして、蓮に近づく。
と、「蓮」と書かれた紙を見せる。
最高、
蓮が俺を見て口をパクパクさせながら固まる。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。