第133話

*133.
33,821
2020/05/03 13:52
山口 雅 (ヤマグチ ミヤビ)
山口 雅 (ヤマグチ ミヤビ)
ん〜♡ ほんまに美味いわぁ
松井 亮太 (マツイ リョウタ)
松井 亮太 (マツイ リョウタ)
金持ちならもっと上手いもん食ってるだろ、
山口 雅 (ヤマグチ ミヤビ)
山口 雅 (ヤマグチ ミヤビ)
俺亮太のご飯の方が好きや(ニコッ)
松井 亮太 (マツイ リョウタ)
松井 亮太 (マツイ リョウタ)
ふッ、それは嬉しい
山口 雅 (ヤマグチ ミヤビ)
山口 雅 (ヤマグチ ミヤビ)
ひひッ、いつも自分で作ってんの?
松井 亮太 (マツイ リョウタ)
松井 亮太 (マツイ リョウタ)
あー……うん。親いねぇから。
家事とか全部俺がやってる。
山口 雅 (ヤマグチ ミヤビ)
山口 雅 (ヤマグチ ミヤビ)
ッ…

ガタッ、とポチが席を立つ。
松井 亮太 (マツイ リョウタ)
松井 亮太 (マツイ リョウタ)
トイレなら部屋出t((

ギュッと、ポチが抱きついてくる。

松井 亮太 (マツイ リョウタ)
松井 亮太 (マツイ リョウタ)
ッ…!?
山口 雅 (ヤマグチ ミヤビ)
山口 雅 (ヤマグチ ミヤビ)
俺にいっぱい甘えてええよ、?

凄ぇいい奴…というか、愛されてきたんだな。こいつ、

ぽんぽんとポチの頭を撫でる。
松井 亮太 (マツイ リョウタ)
松井 亮太 (マツイ リョウタ)
ありがとう
山口 雅 (ヤマグチ ミヤビ)
山口 雅 (ヤマグチ ミヤビ)
ほんまにええんか?
松井 亮太 (マツイ リョウタ)
松井 亮太 (マツイ リョウタ)
あぁ。俺のせいだから、
山口 雅 (ヤマグチ ミヤビ)
山口 雅 (ヤマグチ ミヤビ)
なんで?亮太なんか悪い事したん?
松井 亮太 (マツイ リョウタ)
松井 亮太 (マツイ リョウタ)
ッ…話すから、、座れ。
グイッと顔を押して俺から離す。
山口 雅 (ヤマグチ ミヤビ)
山口 雅 (ヤマグチ ミヤビ)
おわッ…ははッ、やった♪
松井 亮太 (マツイ リョウタ)
松井 亮太 (マツイ リョウタ)
ッ…なんでそんなn((
山口 雅 (ヤマグチ ミヤビ)
山口 雅 (ヤマグチ ミヤビ)
亮太が俺に心開いてるってやろ?なんか亮太何考えてるか分からんから、俺だけやと思ってた
と、席に着く。
松井 亮太 (マツイ リョウタ)
松井 亮太 (マツイ リョウタ)
ふ…なにそれ、
山口 雅 (ヤマグチ ミヤビ)
山口 雅 (ヤマグチ ミヤビ)
ははッ、
松井 亮太 (マツイ リョウタ)
松井 亮太 (マツイ リョウタ)
店…、あっただろ?
山口 雅 (ヤマグチ ミヤビ)
山口 雅 (ヤマグチ ミヤビ)
隣のやつ?
松井 亮太 (マツイ リョウタ)
松井 亮太 (マツイ リョウタ)
そ、あれ、父さんの。
山口 雅 (ヤマグチ ミヤビ)
山口 雅 (ヤマグチ ミヤビ)
だから亮太料理上手いねんな(ニコッ)
松井 亮太 (マツイ リョウタ)
松井 亮太 (マツイ リョウタ)
ッ…そうかもな、苦笑

ー*ーー*ーー*ーー*ーー*ーー*ーー*ーー*ーー*ー




幼稚園の発表会には必ず夫婦揃って見に来てくれたり、

俺を挟んで3人でベッドで一緒に寝たり、

いっぱい愛してくれる大好きな家族だった。


小学校を入学したあたりから、

父さんが店を出し初めて、店が評判になるにつれて、

少しずつ一緒に入れる時間が少なくなった。



小学校2年生の時の、母さんの誕生日。


家族より儲かる店にへと興味を持ち始めた母さんに、

また俺に興味を持ってもらいたくて、

また3人で楽しかったあの頃に戻りたくて、

喜んで貰えるように店の事をしようと、


父さんがいる店のキッチンに行った。

まだ身長も伸びてなくて、届かないから台を持って。

お父さん
お父さん
亮太、どうした、?
亮太
亮太
俺も手伝う
お父さん
お父さん
ありがとう。でもまだ亮太は危ないから離れて
亮太
亮太
いつも父さんの見てたから俺も出来るよ、
お父さん
お父さん
父さんと家で練習してから。な?
亮太
亮太
ッ…はーい。
バチッと、フライパンから油が跳ねて俺の頬に飛んで来た。
亮太
亮太
あちッ…、、うわッ!
お父さん
お父さん
ッ…!

びっくりした勢いで、台から足を踏み外し、

何処か掴もうと伸ばした手がフライパンに当たって

俺めがけて落ちて来る。
亮太
亮太
ッ…いてて……父さん、大丈夫!?
お母さん
お母さん
どうしたの!?

フライパンが落ちた音に気づいたのか接客していた

母さんが慌てて厨房に戻ってきた。


その後すぐに病院に行って見てもらったけど、

俺の代わりにフライパンを被った父さんはやけどを負って

店は閉店。

お父さん
お父さん
亮太が無事でよかった。

と慰めてくれる父さんとは違って、

母さんは俺を見離すようになってしまった。


はっきり 俺のせい だとは言ってこず、

ただ俺との距離を置いていく一方。


こんな俺に優しくする父さんにも

いつしか母さんは愛想を尽かしてしまっていた。


父さんのやけどが治ってまた店を再開した時には

母さんは他の男と遊ぶようになってしまっていて、

父さんが店で1人働いてる間に

3人で一緒に寝てたあの大きなベッドで、

別の男の人と大人の遊びをしていた。


でも、母さんを変えたのは俺だから何も言えなかった。


俺が中学生の時、母さんが家を出て行った。
お父さん
お父さん
大丈夫。亮太のせいじゃないからな。

母さんが出ていっても父さんは俺を責めなかった。

俺の世話もしつつ、俺の学費の為に店も続ける。


そして、
お父さん
お父さん
亮太、今日は何がいい?

やけどを負ってる時も、治ってからも、

俺との時間を作って、父さんは料理を教えてくれた。


父さんと料理を作ってる時が、俺の1番好きな時間だった。

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