全部話して、少し落ち着いた。
俺…まだちゃんと亮太に返事返してないのか、
藍莉が教えてくれた。
今のままだと亮太が可哀想だって、
今の関係と似てるけど違う。
亮太は俺と、特別な関係になりたいんだ。
と、亮太が俺を降ろして立ち上がりリビングから出て行く。
え…、?
違う、
そうじゃない、
なんで…、、?
ー*ーー*ーー*ーー*ーー*ーー*ーー*ーー*ーー*ー
カランカランッ とお店の鈴が鳴り客が来る。
藍莉が何も無かったかのように、働いている。
亮太に言われたものを運ぶ。
あれ…俺、昨日あれからどうしたっけ…、
亮太と…話してない…、
なんで?
俺、亮太に好きって言わなきゃいけないのに、
パリンッ…!!
亮太は…俺に呆れちゃったのかな…
俺が返事するの遅かったから、
俺とはもう特別な関係になりたくないのか、
いつの間にか、皿を割っていた。
ちりとりにお皿の破片と、頼まれていた物を集め藍莉が俺の代わりに片付けてくれている。
と、藍莉に背中を押され裏に戻る。
バッ、と藍莉の手を振り払う。
ダメ、亮太に心配させたくない。
迷惑かけたくない。
俺は大丈夫なんだ、
ガシッと表に戻ろうとする俺の手を亮太が掴んで
俺を振り返らせる。
パシッ!
亮太に頬を叩かれた。
…あれ、、、なんで、、
いつも優しくしてくれる亮太が、
俺の事叩いた…、
藍莉が俺の心配をしてくれている。
逃げるようにして、裏口から出て家に戻った。
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!