〜 亮太side 〜
と、蓮が皿を下げて携帯や財布を鞄に詰め込む。
バタバタと蓮が家を出て行く。
ここんとこ週に何回か、こうゆう事がある。
嬢ちゃんに聞いたところ、どうやら嘘はついてないらしい。
俺に内緒で何してんだか…
と、皿を洗い終わってからソファーに座る。
ぴょんッと、りんが俺の膝に乗ってくる。
と、俺の手を舐めてくる。
あー…蓮と喧嘩した時もこんな感じだったな…
ぽんぽんと頭を撫でる。
俺の膝から飛び降りて、キャットタワーに登っていく。
ほんと、蓮といいりんといい…
ー
ーー
ーーー
ソファーから立ち上がって、蓮に近づく。
と、蓮がリビングから出て行く。
また逃げられた。
ご飯の量…増やすか…、?
ー
ーー
ーーー
蓮の手を引き膝に座らせる。
明日…壁にかかってるカレンダーを見る。
特に何も無い…が、
と、膝から降りてリビングから出て行く。
どうゆう事だよ。
この前カレンダー見てたから…
たぶん俺の誕生日の事なんだろうけど、
あんま問い詰めない方がいいのは分かってんだけど、
こうも家から出て行かれるのは結構…くる。
誕生日まで我慢か…。
蓮が戻ってきて、俺の隣に座る。
ピコン♪ ピコン♪ と、蓮の携帯が鳴ると
チラ、チラ俺を見ながら蓮が返事を返してる。
分かりやす。
ッ…当たったな。
蓮が携帯を置いて、焦った様子で聞いてくる。
あー、可愛い。
蓮の背中に手を回し、抱きつく。
知るかとか、適当なこと言って逃げるか…、
ッ……ほぅ、この反応…
こうゆう時の蓮は、
押しに弱い。
人差し指で蓮の唇を触る。
蓮が俺の目元を手で覆う。
ガシッと蓮の頭を抑える。
ゆっくりと、俺の目元から手を離す。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!