藍莉が帰って、クッキーが冷めるのを待ち、
ちょんッと何回も触って確かめてから口へ運ぶ。
美味しい! 俺があれ3滴入れたからだ✨←
亮太のだからもう食べないでおこ。
…やっぱりあともう1個食べよ。
亮太びっくりするかな、食べてくれるかな ♪
と、クッキーを冷蔵庫に入れる。
2時過ぎか…藍莉に貰ったお菓子食べて、
ゲームしてから買い物行ったらいい感じかな、
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スーパーに来て、お弁当を選ぶ。
ぁ、卵買っとかねぇと店の勝手にとったから怒られるよな。
会計を済ませスーパーを出ると、
ポツポツと、雨が降ってきた。
うわ、最悪。傘持ってねぇし…走って帰ろ、
にゃあ と ネコの鳴き声が聞こえ、
鳴き声の方を見てみると
電柱のところにダンボールが置いてあった。
行きは置いてなかったのに、
ダンボールの箱を開ける。
と、ダンボールから飛び出してきたネコを慌てて
ダンボールに戻す。
ザーッと雨が強くなってきた。
蓋を閉め、ダンボールを持ち上げ急いで帰る。
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ダンボールを店の裏口に置いて、
家に帰って買ってきたものを下ろし、冷蔵庫から牛乳と、
食器棚から小さいお皿をとって裏口に戻る。
また飛び出してこないようにゆっくり蓋を開ける。
なわけねぇか。
こいつ真っ白なのに左右で目の色違う、凄ぇ。
もふもふのタオル敷いてあるし、捨てられたのかな、
お皿に牛乳を入れ、ダンボールの中に置いてあげる。
ぴちゃぴちゃと牛乳を飲んでくれた。
家に帰って濡れた服洗濯機に放り込んで、風呂を沸かす。
沸かしてる間に買ってきた弁当を食べた。
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風呂からあがり、タオルを持って裏口に行く。
ダンボールからネコがいなくなっていた。
どうしよう、まだ雨降ってるのに。
また牛乳置いとけば帰ってくるかな…
湿っていたタオルを取り出して持ってきたタオルを敷く。
お皿に牛乳を入れて、またダンボールに置いておいた。
帰ってきますように。
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20時半…そろそろかけてもいいよな…、
プルルルルッ、プルルルルッ、と亮太に電話をかける。
だから雨降り出したのか……今日は早く寝よ…
携帯から亮太じゃない人の声が聞こえる。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!