(Meguro)
向井に助けられた日から3日がたった。
あのあと、2日間はストレスからくる熱で学校に行けなかったんだけど、今日からは行ける。
電車に乗ってしばらくしたら向井くんの駅についた
俺と同じ車両に乗った向井くんは、
学校の近くの駅につき、降りる。
いつも通り、と自分に言い聞かせる。
そんな俺に気づいたのか、
と、右手を俺に差し出す。
て、手を繋げって事!?
昨日は考える余裕無かったけど俺、向井くんのこと好きなんだよ!?恋してるんだよ!?
でも、ずっとこうしてる訳にはいかないから、向井くんの手を握る。
その時、向井くんが俺の指の間に指を入れてきた。
こ、恋人繋ぎだ…。
この時は、そんな事を考える余裕があったんだけど
学校の前に来たら心臓の鼓動が速くなる。
向井くんにそう言われて、向井くんの手を握る力が無意識に強くなっていた事に気づいた。
深呼吸してから、校門をくぐる。
右斜め前に、ラウールと渡辺くん、そして佐久間くんがいた。
みんながいつもどうりに接してくれる。
緊張が溶けていく。
みんな、ありがとう。
(Raul)
今日もめめと向井くんに会わなくて、先に学校に行ってたら、佐久間くんとしょっぴーにあった。
佐久間くんがそう言うから、ぱっと顔を上げたら、こちらに向かって歩いてくるめめと向井くんの姿。
めめがみんなと喋ってる間に、みんなに聞こえないようにして向井くんにお礼を言った。
そう言ったら、彼は小さく頷いて、
と、それだけ行って去っていった。
ほんと、カッコいい人だ。
ほんとに向井くんは頼れる先輩だと思う。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。