第57話

3年後、大人になったから
4,798
2020/05/18 12:50
※一人暮らし設定です






(Mukai)
今日は付き合って4年の記念日。

バイト先から帰宅して、部屋にあるソファーに倒れ込む。
向井康二
疲れた…
学費と生活費のために働き始めたけど、思ったよりもしんどい。LINEを開いてダメ元でめめに電話をかける。
目黒蓮
はいー?
めめの声ってやっぱ落ち着く。
向井康二
今日で四年目やね。
目黒蓮
ですね。
向井康二
会いたい…
目黒蓮
ですね。
俺も早く会いたいです。
声聞いたら、ますます会いたなるやん…
向井康二
また会おね。
目黒蓮
はい。
会いましょう。
向井康二
じゃあねっ!
あんまり遅くまで電話してても迷惑やし、切ろうと思ったら、
目黒蓮
待って下さい!
って止められた。
目黒蓮
もうちょっと、話しましょ。
向井康二
ええよ!
しばらくしたら空が曇ってきて、雨が降ってきた。
向井康二
めめ外におるんやったら早く帰ったほうがええよ?
雨音も強なってきたし。
目黒蓮
でもここまで来たからには帰れません
向井康二
え?
俺が頭に?を浮かべとったら

ピーンポーン

と、インターホンの音がなる。
向井康二
ちょっと待ってや
スマホを手に持ったまま、画面を覗く。
向井康二
え、嘘…
玄関の扉を開ければ、俺の一番会いたかった人が立っていた。
目黒蓮
ふふ、驚きすぎです。笑
大人になったんで、迎えにきましたよ?笑
確かに住所は教えてたけど、まさか来てくれるとは思わへんかった。
向井康二
めめ、大丈夫?
そんな濡れてたら風邪ひくで!
ずぶ濡れやったから家の中に入れてあげる。

タオルを取りに行こうとしたら、後ろからハグされた。いわゆるバックハグってやつ。
目黒蓮
俺、ずっとこうしたかったんです。
最近康二くん不足だったんで、充電させてください。
真面目な口調でそんな事を言うもんやから笑ってしまう。
向井康二
ふふ、俺もめめ不足やったよ。
しばらくしてリビングに招き入れる。
目黒蓮
康二くん、はい!
めめの手には綺麗なアマリリスの花束があった。
向井康二
綺麗…
目黒蓮
これ、四年目の記念です。
また会えない期間が続くかも知れませんけどこれ見て癒やされてください!
向井康二
ありがとう。
めっちゃ嬉しい…
目黒蓮
明日、朝早いんでそろそろ帰ります。
また会いましょ!
向井康二
待って!
帰ろうとした彼を引き止めて、ハグをする。
向井康二
またしばらく会えへんくなるから、もうちょっと充電させて…
目黒蓮
いいですよ。
めめの匂い、すっごい落ち着く。
目黒蓮
お互い大学卒業したら一緒に住みましょうね!
それ、1年ぐらい前から言ってるね笑
向井康二
うん!約束。
小指を絡めて微笑み合う。
目黒蓮
さよなら!
向井康二
ばいばーい!
家に入ってまた一人になると少し寂しくなったけれど、アマリリスの花束を見れば寂しさも消えるような気がする。

次に会えるときには白いバラをプレゼントするね。








【END】

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