※一人暮らし設定です
(Mukai)
今日は付き合って4年の記念日。
バイト先から帰宅して、部屋にあるソファーに倒れ込む。
学費と生活費のために働き始めたけど、思ったよりもしんどい。LINEを開いてダメ元でめめに電話をかける。
めめの声ってやっぱ落ち着く。
声聞いたら、ますます会いたなるやん…
あんまり遅くまで電話してても迷惑やし、切ろうと思ったら、
って止められた。
しばらくしたら空が曇ってきて、雨が降ってきた。
雨音も強なってきたし。
俺が頭に?を浮かべとったら
ピーンポーン
と、インターホンの音がなる。
スマホを手に持ったまま、画面を覗く。
玄関の扉を開ければ、俺の一番会いたかった人が立っていた。
確かに住所は教えてたけど、まさか来てくれるとは思わへんかった。
ずぶ濡れやったから家の中に入れてあげる。
タオルを取りに行こうとしたら、後ろからハグされた。いわゆるバックハグってやつ。
真面目な口調でそんな事を言うもんやから笑ってしまう。
しばらくしてリビングに招き入れる。
めめの手には綺麗なアマリリスの花束があった。
帰ろうとした彼を引き止めて、ハグをする。
めめの匂い、すっごい落ち着く。
それ、1年ぐらい前から言ってるね笑
小指を絡めて微笑み合う。
家に入ってまた一人になると少し寂しくなったけれど、アマリリスの花束を見れば寂しさも消えるような気がする。
次に会えるときには白いバラをプレゼントするね。
【END】
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!