(Mukai)
駅に着いた時、めめの目から涙が溢れる。
見ていられなくなって思わず、抱きしめた。
声を上げて泣くめめ。
それほどに苦しい思いをしていたと思うと、また、怒りが湧いてくる。
俺の腕の中で泣くめめは、いつもよりも、小さく、儚く見える。
しばらくしたら落ち着いたみたいで、俺の肩にうずめていた顔を上げた。
電車が来た。俺たちも乗って、座席に座る。
時々声を詰まらせながら、すべてを話してくれた。
止まっていた涙が溢れる。
目に浮かんだ涙を拭い、こっちを向いて笑った目黒くん。もうその目に嘘はない。
俺の駅に着いた時、
しっかりした口調でそう言うめめ。
これからは、もっと頼ってほしいなぁと思う。
だって、一人で抱え込むのって想像以上にしんどいし、何よりあんな苦しむめめを見たくないっていうのが俺の本音。
それにしても、ようここまで耐えたなぁ。
でも、これからは頼ってね、。
俺が、
「「守るから。」」
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。